川越 台風。 【一番当たる】埼玉県川越市の1時間毎の天気

猛威振るった「台風19号」 川越市内にも大きな痕跡、引き続き増水警戒を呼び掛け

川越 台風

120人の入居者を2時間程度で移動 異常な降水量で、広範囲に浸水被害をもたらした台風19号。 埼玉県川越市も、越辺(おっぺ)川の堤防が決壊し、浸水被害が広く発生しました。 その川越市で、特別養護老人ホーム「川越キングス・ガーデン」は平屋建ての棟では屋根に達するほど浸水し、周囲から完全に孤立するという被害に遭っています。 老人ホームでこうした被害が起きると、悲しいことにこれまでは犠牲になる方が出ることがありました。 ケアをゆだねた施設で、大事な家族が災害の犠牲になるなど、考えたくもないことです。 しかし、この施設では一人の犠牲者を出すこともなく、全員を無事避難させることができました。 なぜでしょうか。 報道の情報から考えてみます。 施設はいつ異常に気付いたのでしょうか。 職員が浸水に気づいたのは13日午前2時ごろ。 施設には当時、入居者ら約120人がいた。 施設の介護福祉士正木一也さん(45)によると、ゴボゴボという音に職員が気づいた。 「玄関などから水が入ってきて水位がどんどん上がった」 20人以上の職員が総出で、移動に介助が必要な人を車いすやベッドごと平屋建ての棟から3階建ての別棟へ移動させた。 水は平屋の壁の半分ほどの高さまで上がり、明け方には停電したという。 出典: テレビのニュース報道では、この停電によりエレベーターが使えなくなり、職員が入所者を担いで2階に避難させたと伝えていました。 施設で深夜の夜勤帯に勤務する職員は、介護保険制度での人員配置基準でいえば、入居者120人規模の施設なら通常5人程度。 20人以上の職員がいたということは、台風に備えて通常の夜勤者以外に多数の職員が泊まり込んでいたと思われます。 この施設の災害対応への意識の高さを感じます。 同じくテレビニュースで、この施設の施設長が、年1回、避難訓練を実施していたことから、職員がスムーズに避難誘導を行うことができたと話していました。 避難の経緯についてはこのように報じられています。 この施設は以前も大雨が降った際に水につかったことがあったため、台風の接近に伴って市と定期的に連絡を取っていたということです。 施設の責任者からは13日午前3時ごろ「水位が上がってきたので2階建ての建物に避難を始めている」という連絡があったということです。 そして、午前4時ごろに市が連絡を入れた際には「全員避難を終えた」と話していたということです。 出典: その後、警察などにより、入居者は3階建て(NHK NEWS WEBでは「2階建て」と報道)の建物から順次救助され、13日夕方には、全員が近くの避難所に移っています。 今回の台風では広範囲に浸水被害が出ている(フリー画像*今回の台風による浸水の画像ではありません) 日頃の備えが全員の無事避難を実現 120人もの入居者全員を、無事、スムーズに避難させた「川越キングス・ガーデン」。 この施設の浸水被害対応を参考に、他の施設も災害時の対応をしっかり整備してほしいですね。 報道からの情報から、この施設が全入居者を無事避難させることができたのは次のような理由が考えられます。 年1回、避難訓練を行っており、避難の際の手順、職員が取るべき行動が身についていた• 過去の浸水経験から、台風への危機意識が高かった• 台風への対応について、行政と連絡を取り合っていた• 異変に気づき、すぐに行動を起こした 特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、認知症グループホ-ムなど、多数の要介護者をケアする入居施設では、災害時に入居者をどのようにして安全に避難させるかについて、常日頃からその対応を考え、備えておく必要があります。 2017年には、「水防法・土砂災害防止法」が改正され、浸水想定区域や土砂災害警戒区域内の「要配慮者利用施設」の管理者には、避難確保計画の作成と避難訓練の実施が義務付けられています。 「要配慮者利用施設」とは、老人ホームなどの社会福祉施設や学校、医療施設等を指しています。 国土交通省では、避難確保計画作成の手引きをで公開しています。 しかし、全国にある要配慮者利用施設6万7091施設のうち、2019年3月末現在、避難確保計画を作成しているのは、その3分の1程度の2万4234施設にとどまっています。 「全員無事避難」には管理者以下職員全員の強い思いが必要 避難確保計画作成が義務化される以前、入居者8人のある認知症グループホームで災害時の避難対応の話になった時、「夜勤の時、職員はたった1人です。 8人の要介護者を全員無事に避難させるのは、実際には無理ですよ」と管理者がつぶやくのを聞いたことがあります。 管理者の災害対応の発想が「全員無事避難は無理」という前提では、職員も「無理だろう」と考えます。 これでは、全員を無事避難させるのはまず不可能です。 そうではなく、「どうすれば全員を無事に避難させることができるか」という前提で、知恵を出し合う必要があります。 あるグループホームでは、近隣住民と話し合いを重ね、災害時には避難に協力してもらう約束を取り付けました。 また、近隣住民と日ごろから密な関係を築いている別のグループホームでは、浸水被害の恐れがあるとき、反対に、やや高台にあるそのグループホームに住民が避難してくるようになりました。 「ここに来れば安心だから」と住民たちは言っているそうです。 住民との間にこうした信頼関係があれば、災害時、相互に助け合いながら避難のすべを確保できそうです。 いざというときに、管理者が指示しなくても各職員が声を掛け合い、スムーズに動けるレベルまで訓練を重ねることも大切です。 また、職員全員が、「絶対に全員で無事避難する」という強い思いを共有することも必要です。 ラグビーワールドカップでは、選手全員が「絶対に勝つ」という思いを共有し、規律を守る動きが体に染みつくほど練習を重ねたことで、決勝トーナメント進出という一つの目標を達成しました。 「川越キングス・ガーデン」では毎年の訓練によって、「全員で無事避難」という思いを共有し、自然に体が動くまでの備えをしていたのではないでしょうか。 平時の「川越キングス・ガーデン」(「川越キングス・ガーデン」フェイスブックより引用) この老人ホームの災害対応から学ぶべきこと もちろん、地震や火事のような突発的な災害では、どれだけ備えても、十分な対応を仕切れないことがあるかもしれません。 しかし、今回の台風のように、あらかじめ被害が想定される災害であれば、事前の準備で被害を軽減することは可能なはずです。 過去の教訓を活かすことも重要です。 浸水被害、地震での被害を受けたとき、何が課題となったのかを検証し、それに備える体制を整える。 これを繰り返していけば、様々な災害への対応力が高まります。 この施設では、おそらく、行政との連絡を取ることの重要性も感じたのでしょう。 避難開始の際に連絡を入れるなど、非常事態にもかかわらず適切に連絡を取っています。 行政との情報交換は、その時々の浸水状況や救助の状況を把握するのにも役立ったことと思われます。 そして、特筆すべきなのは、異常を感じた際の対応が迅速だったことです。 深夜2時ごろに異常を感じて避難を開始し、エレベーターが使えなくなったにもかかわらず、午前4時には避難を完了しています。 異常に気づいて即行動を起こすことは、平時に考えると簡単なように思えます。 しかし、実際には行動の結果を恐れて決断に時間がかかったり、手順に迷ったりするものです。 迅速な対応ができたのは、対応フローが明確化され、それが訓練で身についていたからだと思われます。 そもそも、要介護の高齢者を移動させるのは、健康な人を移動させるのとは全く違います。 それぞれの心身の状態を十分に把握した上で、誰から順番にどのようにして移動させるかなど考慮すべきことが多く、備えがなくてはスムーズに行うのは難しいものです。 今回、入居者120人規模の特別養護老人ホームでも、日頃の備えがあれば、こうして全員の無事避難を実現できることが明らかになりました。 入居施設関係者には、これまで「全員の無事避難は無理かもしれない」と、災害対応に、内心、消極的だった方もいるかもしれません。 しかし、入居者にとっては職員が命綱です。 「川越キングス・ガーデン」の災害対応を参考に、自法人の施設で「どのようにすれば、『すべての』入居者を無事避難させることができるか」を真剣に考えてほしいと思います。 異常気象が年々、顕著になっており、これからもこうした被害は増えていくのかもしれません。 避難確保計画が立てられているか、効果的な避難訓練が行われているかなども、今後は老人ホーム選びの視点に加えていくことが必要になりそうです。 最後になりますが、被災者の方々は今も、大変つらい状況のさなかにあることと思います。 一日も早く、元の生活を取り戻すことができますようお祈り申し上げます。

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JR川越線 台風に関するリアルタイム情報|ナウティス

川越 台風

2019年10月12日に発生した大規模な台風での、洪水情報や、どの河川がどれくらい氾濫したのかといった情報をまとめました。 これから 新しく土地を購入する人や、家を探している人等は、ハザードマップなどを参考に購入を検討されるかと思いますが、おそらく過去最強の今回の台風で洪水にあっているかどうかは、データとしてとても参考になると思います。 もしも、いま探している土地が今回の台風で洪水にあっていなかったら、同様の台風が来る可能性が数十年に1度レベルだといわれていますので、その土地はとても洪水に強い土地だと判断してよいと言えるでしょう。 災害発生中に収集した情報を多く掲載していますので、是非参考にしてくださいね! 関連: 関連: 関連: 関連: 目次• 2019年10月12日に被災した台風について まず、東日本に上陸する中で 過去最強クラスと言われたの台風19号のスペックを紹介します。 まだ台風は上陸していませんが、すでに河川が以下のレベルで色分けされており、非常に関東の広範囲に渡って洪水の危険性が高まりました。 色の説明 濃い紫色=発生の恐れ・命を守る行動を 紫色=レベル4・今すぐ避難 赤色=レベル3・高齢者は避難 黄色=レベル2・避難行動再確認 青色=レベル1・今後に注意 内閣府 令和元年台風第 19 号に係る被害状況等について 令和元年 10 月 16 日 【概況】 ・台風第 19 号は 12 日 19 時前に大型で強い勢力で伊豆半島に上陸した後、関東地方を通 過し、13 日未明に東北地方の東海上に抜けた。 ・台風本体の発達した雨雲や台風周辺の湿った空気の影響で、静岡県や新潟県、や関東 甲信地方、東北地方を中心に広い範囲で記録的な大雨となった。 10 日からの総雨量は 神奈川県箱根町で 1000 ミリに達し、関東甲信地方と静岡県の 17 地点で 500 ミリを超 えた。 この記録的な大雨により、12 日 15 時 30 分に静岡県、神奈川県、東京都、埼玉 県、群馬県、山梨県、長野県の 7 都県に、12 日 19 時 50 分に茨城県、栃木県、新潟県、 福島県、宮城県の 5 県に、13 日 0 時 40 分に岩手県に特別警報を発表した。 ・東京都江戸川臨海では観測史上 1 位の値を超える最大瞬間風速 43. 8 メートルを観測す るなど、関東地方の 7 か所で最大瞬間風速 40 メートルを超える暴風となったほか、東 日本から北日本にかけての広い範囲で非常に強い風を観測した。 また、12 日には千葉 県市原市で竜巻とみられる突風が発生した。 埼玉県川越市周辺の洪水発生状況 【決壊】霞ヶ関駅の北・入間川と越辺川の合流地点付近 川越駅から入間川を挟んで反対側にある地域の映像ですが、完全に水没しています。 赤の矢印で、決壊した場所と水の流れを示しています。 川越線 南古谷駅-指扇駅間の鉄橋から。 こんなにひどい状況初めてです。 — だいず ChanWistaria 越辺川の氾濫現場がうちのすぐ裏だったので見て来たのですが、想像以上の大きさで堤防が決壊してました。 何度も釣りで通ってた道がこんな事になるなんて。 昨晩は近所のどの堤防が壊れてもおかしくない状況だったかと思うとゾッとします・・・。 自衛隊、消防隊、協力されてる皆様本当にお疲れ様です。 川越市小畔川の名細小学校の下流右岸と左岸がほとんど水没しています。 さらに下流の落合橋付近、越辺川と大谷川と合流するあたりの、越辺川の堤防が決壊して水が出たようです。 拡散を願います。 — 酒井嘉和 Sakaiyoshikaz 国土交通省の報道発表を引用します。 台風第19号の大雨により、令和元年10月13日(日曜日) 6 時00 分頃に、越辺川左岸7. 6k 付近(埼玉県東松山市正代地先)の堤防で延長約20mが決壊していることを確認しました。 現在詳細について調査中です。 (国土交通省) 国土交通省の報道発表続報です。 台風第19号の大雨により、令和元年10月13日(日曜日)7時15分頃に、都幾川右岸0. 4k付近(埼玉県東松山市早俣地先)の堤防で延長約100mが決壊していることを確認しました。 現在詳細について調査中です。 (国土交通省) 埼玉県東松山市早俣地先の場所はこちらです。 の氾濫で水につかった埼玉県川越市にある特養老人ホーム周辺、水は引きました。 道にたまった泥をかき出したり、家具などを外に出して片づけをしたりする方が大勢いらっしゃいました。 避難を続けている皆さんもいます。 このほかの浸水地域について、国土交通省では引き続きポンプ車で排水作業を続けるとしています。 写真:上尾市と川越市の境、開平橋から撮影。 上流向き、2. 下流向き 越水の爪痕が残っています。 3枚目が平方の浸水地域です。 プライバシー保護の観点から浸水家屋の詳細な写真は掲載を控えさせていただきます。 入間川、越辺川ともに危険度レベル5でどこが氾濫してもおかしくない状況ですが、少なくともこの水色の範囲に今後戸建てやマンションを購入するなどの検討をされている方がいましたら、自治体や専門家のデータを良く調べて、災害に強い立地であるかどうかを調査することをおすすめします。 関連: 【氾濫】川越駅付近 川越駅ですが、新河岸河と、入間川が近くを流れており、後述の通り 入間川は実際に氾濫をしてしまいました。 また、 川越駅と南古谷駅の間のあたりで、新河岸川が氾濫しました。 氾濫した際の予想される浸水地域として 駅の東側が広く青で網掛けされており、南古谷駅など、東側の地域は実際に浸水被害を受けているという情報があります。 このあたりに土地や戸建てを購入する際は、ご自身の土地が過去の水害などの被害にあった地形ではないか、また合う可能性がないかなどを、自治体のハザードマップなどを見てよく確認するべきではないでしょうか。 南大塚駅付近 南大塚駅は、北に入間川、新河岸川があり、南には久保川がある、川に挟まれた地形です。 まず北側についてですが、 入間川は危険度がレベル5となっており、北側で氾濫して大変危険な状況でした。 新護岸についても、川越市寄りのほうが非常に危険な状態となっており、実際に氾濫が発生しました。 ただこの駅については、氾濫した場合に予想される浸水エリア(地図上で青色で塗られる部分)がなく、近 隣の河川が氾濫したとしても、水害に強い駅であるということが今回の台風のデータからは見て取れます。 新河岸駅周辺 新河岸駅周辺ですが、 新河岸の水位が非常に危険なレベルまで上昇しており、一部の場所では実際に決壊してしまったという情報が入っています。 予想される浸水地域としては、駅の北から東にかけてとなっており、西や南については浸水地域からは外れています。 よって、 今回の台風の情報からですと、戸建てなどを購入する場合は西側や南側の立地を検討したほうがよいというデータが見て取れます。 上福岡駅周辺 この駅は、周囲を河川に囲まれた駅ですが、浸水が予想される地域に駅周辺は含まれていませんでした。 また北と南にある河についてはそれほど水位の上昇がなく、 今回の台風からはこの駅については水害につよいえきであるというデータが見て取れます。 川越駅の東側周辺 新河岸川の東側については、 河岸川が決壊した場合、及び更に東にあります入間川の決壊した場合の水が流れ込み広い範囲で浸水の可能性があるという予想がされており、また実際に浸水の被害にあった地域があります。 この周辺に戸建てなどの購入を検討されている場合は、ハザードマップや自治体のデータなどをよく確認いただき、災害に対する耐性をよく見極めてから判断するべきではないでしょうか。 霞ヶ関駅周辺 東を流れる、 入間川と西を流れる小畔川がともに危険度レベル5となっており、実際にもう少し上流で氾濫しています。 このあたりの地域については、浸水が想定される水色の網掛けされた地域がなく、水害に対しては強い地域であることが、今回の台風からは見て取れます。 的場駅周辺 的場駅周辺についても、入間川の推移が危険な状態となってはいますが、浸水予想地域として網掛けされている場所がなく、水害に対して耐性のある地域であることがこの台風からは見て取れます。 入間川の状況 今回の台風で氾濫をしました、入間川について、観測地点のデータをご紹介したいと思います。 小ヶ谷周辺 まずは、川越駅西のこちらの観測地点についてです。 小ヶ谷観測地点については、 氾濫危険水位を超過しており、その後計器が故障してしまい測定不能になりました。 このあたりは決壊した地域のため、計器が故障してしまった可能性があります。 実際の映像がこちらになります。 深夜1時の映像ですが、 護岸がなくなっており氾濫している様が見て取れます。 入間川落合橋 次に、入間川落合橋についてです。 こちらについても、通常1mの推移が7mまで急激に上昇し、その後測定不能となってしまっております。 菅間周辺 次にこちらの菅間周辺についてです。 こちらは、 氾濫の危険性がある水位を2m近く超過してしまい、実際に氾濫した地域になります。 関連: 関連: まとめ いかがでしたでしょうか。 川越市は、今回の台風では深刻な被害を受けてしまいました。 特に、入間川の周辺や、この サイトで予想される浸水地域として網掛けされているエリアに戸建てや土地などを購入されようとされている方がいましたら、本サイトだけでなく自治体などのデータを良く精査されるべきではないかと思います。 情報を収集する際に自分で調べてもよいのですが、最も効率が良いのは不動産会社の方としっかり話をすることだと思います。 例えば全国のハウスメーカーや工務店を比較して自分にあったサービスを見つける「」 のように戸建てやマンションを購入するときに相談に乗ってくれるサービスがありますが、そこで 専門家に土地の災害の歴史や地盤の強さ、再開発の可能性などを詳しく聞くことで土地選びで失敗しない戸建てやマンション選びができます。 リンク: 無料で相談することができますので、とりあえず話を聞いてみて情報収集してみるのがおすすめです。

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【台風19号】ケアハウス孤立、80人救助 埼玉・川越、けが人なし

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10月22日~23日にかけて関東地方を襲った台風21号への対応をめぐり、埼玉県川越市では、行政への対応に市民の反感が高まっている。 市内では、人的被害こそなかったが、床上浸水241棟、床下浸水231棟の被害が発生。 このうち、寺尾地区では、市内を流れる河川と下水路をつなぐ水門の閉鎖や、雨水ポンプの故障により大規模な内水氾濫が起き、床上231棟、床下184棟という最も大きな被害を出した。 浸水の直接的な原因となった水門の閉鎖やポンプの故障などの情報は住民に伝えられていなかった。 また、災害後の対応においては、平成25年の災害対策基本法の改正で市町村に義務付けられた罹(り)災証明書の交付が行われていなかった。 市の台風21号への災害対応を検証した。 11月11日に川越市寺尾小学校で開かれた住民説明会には400人近い市民が参加し、市の責任を追及した。 市によると、防災危機管理室の職員が参集したのは7時。 13時には第1回災害対応部長会議を開き、21時には、災害が発生するおそれがある場合または軽微な災害が発生した場合において発令する「警戒体制第1配備」を行い、21時30分には現地調査班が市内の調査に出動している。 災害対策本部は設置せず、同日に4回の災害対応部長会議を実施した。 22時20分の段階で、土砂災害と河川の増水に備えて市内8地区に避難準備・高齢者等避難開始を発令。 避難情報を出した地域に大きな被害はなかったが、最も大きな被害が出た寺尾地区には最後まで避難情報を発令しなかった。 大量の水が流れて破損した江川都市下水路/筆者撮影 被災した家屋。 1m近く浸水したことがわかる/筆者撮影 被災家屋の内部。 古くは広大な田園地帯が広がっていたが、30年ほど前から宅地開発が進み、平成15年には新河岸川の治水事業として寺尾調節池が整備されている。 この調節池の南側一体が今回の台風では大きな被害を受けた。 新河岸川からは500mほど離れた場所で外水氾濫による被害は受けにくいが、一帯はかねてから雨水がたまりやすく、宅地に流れ込む雨水は、新河岸川につながる江川都市下水路へポンプにより排水している。 ところが、23日午前1時16分には、新河岸川の水位が高まったことで江川都市下水路への逆流を防ぐため水門が自動閉鎖。 このため、下水路の水位が上昇してあふれ出し、雨水を下水路に排水する市の「中島雨水排水ポンプ場」が冠水して作動停止。 行き場を失った水は低い宅地へと流れ込み、最大1. 5mほどが浸水した。 特に被害が大きかった寺尾調節池南に広がる住宅地。 画面中央左にあるポンプ場が水没して動作停止。 その奥に見えるアパートは1階の半分ぐらいが完全に水に浸かった。 中央右に見えるクリーム色の車は完全に水没した(赤線は住民の証言をもとにポンプ場の浸水高を示した。 川合善明市長は、寺尾地区に避難情報を出さなかった理由について「内水による避難というのは通常なかなか考えにくく、内水が上がった場合、避難によりかえって危険な状況を招くため、屋内の高いところに避難していただくのが安全対策になると考えた」と答弁。 一方、22日の22時20分に避難準備・高齢者等避難準備開始を発令した他の地区については「河川の水位が避難判断水位に迫っていて、河川が氾濫すると多くの被害が発生することから、水位が上昇する前に避難を早めにしてもらうために出した」と理由を語った。 内閣府が平成27年8月に示した「避難勧告の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン」(改訂版)では、「小河川・下水道等による浸水や下水道からの溢水による内水氾濫については、屋内の安全な場所で待避すれば命を脅かされることはほとんど無いことから、避難勧告等の発令対象とはせず、各人の判断で危険な場所から避難することを基本とする」と書かれており、市長の判断は結果的にこれに則した形となった。 が、住民からは「せめて水門が閉じるという情報をもらえたら車は動かせた」など厳しい意見が相次いだ。 大河内徹危機管理監は「水門が閉じたのは初めてのことで、ここまでは想定できていなかった。 水位を計測して経過を観察していたが、水位の上昇が早くて皆さんにお伝えすることができなかった」と陳謝した。 河川課では、水門が閉じた場合における対応マニュアルが作られていないことを明かした。 筆者の取材によると、水門が閉じた情報は同じ庁内でもただちに共有されておらず、県や寺尾地区に隣接するふじみ野市にも伝達されなかった。 河川課担当者によると「水門は新河岸川の水位が8. 8m以上のときはゲートが自動で閉鎖する。 その情報は河川管理者(河川管理課)にファックスで、いついつ動作したという履歴として入ってくるが、それが防災危機管理室に転送されるわけではない」という。 また、市では国土交通省荒川上流河川事務所からの要請を受け、台風など大きな被害が想定される場合における時系列での関係組織との対応計画「タイムライン」を昨年5月に策定したが、新河岸川や江川都市下水路への対応は含まれておらず、連携する関係組織も荒川上流河川事務所だけで、県や他の市町村は含まれていなかった。 平成25年に改正された災害対策基本法では、「東日本大震災に際しては、市町村によって、罹災証明書の発行の前提となる住家被害調査の実施体制が十分でなかったことから、罹災証明書の交付に長期間を要し、結果として被災者支援の実施そのものに遅れが生じた事例も少なくなかった」とした上で、罹災証明書を遅滞なく交付することを市町村長の義務として本法に位置付けた。 市町村は、内閣府の被害認定基準に基づいた住家被害の調査に従事する職員の育成や他の地方公共団体等との連携確保など罹災証明書の交付に必要な業務の実施体制の確保に平常時から努めなければならないことになっている。 しかし、台風21号の被災者に対して、川越市は「被災証明書」という様式を使用し、現地調査も職員の聞き取りによる簡略化したものとした。 窓口である福祉推進課では「床上か床下かさえ判断できれば税(金)の減免上問題がないと聞いていた。 被災証明書にも住宅の被害が書き込めるようになっているので、罹災証明の発行が必要とされた人に対しては被災証明の文字を罹災証明に変えて発行をしている」としている。 今回の台風21号では隣接するふじみ野市でも被害が出たが、同市は災害直後から「罹災証明書」の申請を受け付け発行している。 ただし、こちらも被害調査は床上か床下かだけかを確認するだけの簡易な方法が採られている。 被災者支援に詳しい長岡技術大学准教授の木村悟隆氏によると「災害対策基本法の改正後は、罹災証明書の発行は自治体の責務となっており、それを履行しないのは明らかな法律違反。 川越市の税条例施行規則でも被害の度合いに応じて3段階で減免となっているにもかかわらず、実際に行っていることは床下と床上の認定だけで矛盾している」と指摘。 今回の災害は自宅を失った被災者に最大300万円を支給する住宅再建支援制度の対象には当てはまらず、市では床上被害を受けた世帯について5万円だけを見舞金として支給しているが、木村氏は「近隣市町村と相談して県の制度の活用を考える努力は必要。 いずれにしても罹災証明は被災程度の証明になることから不可欠になる。 例えば、小千谷市は今年7月のたった17件の床上浸水でちゃんと罹災証明のための調査をし、見舞金は30万円を出した」と話している。 平成27年8月に内閣府から発表された「避難勧告等の判断・伝達マニュアル」の冒頭には「一人ひとりの命を守る責任は行政にあるのではなく、最終的には個人にある。 住民の生命、身体を保護するために行うべき市町村長の責務は住民一人ひとりが避難行動をとる判断ができる知識と情報を提供することであり、住民はこれらの情報を参考に自らの判断で避難行動をとることになる」と記されている。 床下浸水の被害を受け、車を失った住民の一人は「避難情報が出ていたら、車や家電を守ることができたのに」と話していたが、避難情報は、あくまで住民の生命を守る1つの情報であることを改めて認識し、豪雨が予想される場合の行動について日頃から考え、同時に住宅や家財、車両などの保険の加入状況についても見直してみることが大切だ。 災害対策基本法の改正では、市町村内の一定の地区の居住者及び事業者(地区居住者等)が行う自発的な防災活動を推進する地区防災計画制度が新たに創設されたが、こうした制度を活用して、地域特有の災害被害についての対応をルール化していくことも検討してみてはどうだろうか。

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