横隔膜 ペースメーカー。 耳寄りな心臓の話(68話)『無呼吸に横隔膜ペースメーカー』|はあと文庫|心日本心臓財団刊行物|公益財団法人 日本心臓財団

耳寄りな心臓の話(68話)『無呼吸に横隔膜ペースメーカー』|はあと文庫|心日本心臓財団刊行物|公益財団法人 日本心臓財団

横隔膜 ペースメーカー

もくじ• 高齢社会と共に心房細動という病気が増えています。 心房細動とは不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状を指し、それにより心房に血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳の血管が詰まるリスクが高まる病気と説明されています。 また、カテーテルアブレーション治療によって治る病気ともいわれています。 でも医師からそのような説明を受けたものの、今一つよくわからない。 なぜ心房細動が起こるのか、なぜ発作が起こると苦しくなるのか、どうして治療が必要なのか、「アブレーション」という治療以外に方法はないのか、などの質問をよく受けます。 心房細動については「知っておきたい循環器病あれこれ」シリーズでも、6号「」、35号「」、99号「」などで、病状、治療法、心構えなどが紹介されています。 心房細動の治療はこの20年で大きく変わりました。 そこで、この冊子では、心房細動の仕組みや、最新の治療を含め種々の治療法を、できるだけわかりやすく解説する一方、この病気に対して患者さんが抱かれる不安のいくつかにもお答えします。 心房とは 心臓は四つの部屋に分かれ、上の方の二つの部屋を心房、下の二つの部屋を心室といいます。 四つの部屋は外側が筋肉でできており、中は空洞になっていて血液がたまっています。 筋肉が収縮すると、中にある血液が心臓の外に出て行くようになっていますので、心臓は血液を送り出すポンプであるともいえます。 図1 心臓の各部分 心臓は心房と心室からなり、心房は心室の上の部分で心室に血液を送り出す役目をする。 一方、心室は全身に血液を送り出すのが役目 心臓の血液は心房から心室を通って全身へ出て行きます。 心臓を縦半分に切ってみた断面が〈図1〉で、この図のように、心房は心室の手前の部屋にすぎないため、仮に心房にけいれんが起き、心房の動きが止まったとしても、心室さえしっかり動いておれば大きな問題は起こりません。 心臓が動く仕組み 心房と心室の筋肉が動くのは、心臓に弱い電気が流れるからです。 その電気をつくる〝発電所〟にあたる場所は洞結節と言って、〈図2〉のように、右房の上の方にあります。 図2 心臓の電気の伝わり方 右房の上方に洞結節があって、ここで心臓全体に伝わる電気がつくられる。 洞結節でできた電気は心房に伝わるが、心室には房室結節だけを通って伝わるようになっている ここでつくられた電気は、心房と心室の筋肉に伝わります。 筋肉の中には目には見えない電線のような組織が網の目状に張り巡らされていて、それを通って電気が伝わるのです。 ただし、電気は心房から心室へ直接伝わるのではなく、〈図2〉のように、心房と心室の境界にある房室結節という、〝変電所〟の役目をする場所を必ず通って心室へ伝わるようになっています。 普通、房室結節は洞結節がゆっくり電気を作る時は、それをそのまま通すのですが、洞結節や心房から多くの(頻繁に)電気が流れてきた時は、それを間引いて通すようになっています。 心房細動の原因は... 心臓のどこに問題が ではなぜ心房細動になると、心房がけいれんするように細かく動くのでしょうか。 人間は、胎児としてお母さんのおなかの中にいる頃は、洞結節以外に心臓内の種々の場所に〝発電所〟をもっていますが、生まれる前に、洞結節以外の〝発電所〟は蓋をされて活動を停止し、洞結節からだけ電気を送るようになって生まれてきます。 ところが、年をとったり、甲状腺機能亢進症などの病気になったりすると、この蓋が外れて変な場所から電気を流すようになります。 その変な場所で最も多いのが、左房に直結する肺静脈(肺からきれいな血が戻ってくる血管で4本あります)の付け根にある個所です。 〈図3a〉をご覧ください。 ここは胎児の頃、発電所のあった場所で、再び発電を始める訳です。 胎児の心拍が速いのと同様に、非常に高い頻度で電気を流します。 それに加えて、年をとってくると、電線の役もしている心房の筋肉が変質し、一部の電線は電気を伝えにくくなります。 そうなると網の目状の電線回路の中で、断線したりショートしたりして、電気がぐるぐる回る(旋回)ようになってしまいます。 図では肺静脈は2本しか示していないが、左右に2本ずつ計4本ある 肺静脈から高い頻度で生じる電気だけでも心房が速く動くうえに、この刺激をきっかけに起こる電線回路内のいろんな場所での電気の旋回(これを医学用語でリエントリーといいます)によって、さらに心房が速く興奮し、細かく動きます。 これが、心房細動の原因です。 つまり心房細動ではこれらの電気的な異常興奮によって、心房が1分間に300~500回もけいれんするように動くのです。 〈図3b〉を見てもらえば、心房で電気が渦巻く様子がよくわかると思います。 言い換えれば、心房細動は誰にでも起こりうる病気なのです。 実際、一生のうち4人に1人は心房細動になるといわれています。 心房細動で脈が速くなるのか 心房細動になると、心臓全体も速く動くのでしょうか。 そうではありません。 心房の電気は心室に伝わりますが、変電所の働きをしている房室結節が、伝わる電気の量を調節してくれるからです。 例えば、心房が毎分300~500回動いていても、心房の電気が五つに一つくらいの割合で伝わると、心室は1分間60回から100回程度動きます。 これだと正常な心室の動きと変わらず、動悸などの症状は出にくくなります。 しかし、二つに一つ、または三つに一つくらいの割合で電気が伝わると、心室は1分間100回から200回ほどの速さで動くことになります。 そうなると、一生懸命に走っているときか、それ以上の心拍数となりますので、動悸や息苦しさが起こってきますし、突然そういう状態になると、心臓が送り出す血液量が減って、血圧が下がります。 そのため、脳に行く血が少なくなって、ふらついたり、ひどい場合は意識を失ったりすることがあります。 つまり、心房細動時の症状が出るか出ないかは、この房室結節の調節次第で決まるのです。 一般に3人に1人は、心房細動があっても自覚症状は出ません。 その多くは房室結節の変電所としての働き(調節)がうまくいっているからです。 房室結節の調節が全く利かず、心房でつくられた電気をそのまま通してしまうことは、ごく一部の特殊な心臓病の人以外では起こりません。 心房がけいれんしているのなら、心室もけいれんするのではないかと心配される方がいますが、そういうことは起こらないのです。 心房細動時の脈の打ち方 心房細動では、房室結節での電気の伝わり方が不規則になるので、心室の動きも不規則になります。 ですから心室の動きで生じる脈も当然、全くばらばらになり、多くは速くてわかりにくい脈になります。 心房細動では何が心配なのか... 治療の2本柱 心房細動で注意すべき点は二つあります。 一つは、房室結節の調節機能がうまく働かない人では、心室の動きが速くなって頻脈になることです。 もともと心臓病を持っているか、いないかにもよりますが、おおよそ1分間140回以上の頻脈が長く続くと、心臓(心室)の働きが悪くなって心不全という状態が起こる可能性があります。 人間の心臓は一生のうちに動く回数が決まっていますので、早く動いてしまうと、早く弱ってしまうと言えます。 このため、心房細動では、不整脈自体の治療として、心房から心室に電気を速く通さないように、または頻脈にならないように、薬剤(抗不整脈薬)で房室結節機能を調節するとともに、できれば心房細動を止める必要があります。 二つめは、心房細動では心房に血栓(血の塊)ができやすく、それが血流にのって脳などの動脈に流れ込んで、ふさいでしまう塞栓症(脳であれば脳塞栓症)を起こす可能性が高まることです。 心房細動では、心房自体が震えるようにしか動かないので、血がよどんで塊ができやすくなるのです。 これは心房細動が時々起こる「発作性心房細動」の人でも、常に起こっている「持続性心房細動」の人でも、その危険性は同じです。 ですから心房細動では、塞栓症を予防するため、血栓をできにくくする薬剤(抗凝固薬)を飲む必要があります。 脳梗塞の予防法 心房細動によって起こる脳梗塞を心原性脳塞栓症といいます。 これは心房細動を持っている人すべてに起こるわけではありません。 高血圧、糖尿病、心臓の機能低下、75歳以上の高齢、脳梗塞の既往、僧帽弁狭窄症(これらを脳梗塞のリスク因子といいます)のうち、一つ以上を持っている人の一部に起こるとされています。 また、血栓は発作性心房細動でも48時間以上続くような場合、または持続性心房細動で、できやすくなると言われています。 しかし、このうち本当に血栓ができるのは一部の人にすぎません。 脳梗塞の予防薬は、古くからあるワルファリンのほかに、ダビガトラン(プラザキサ)、リバーロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)の4種の新しい抗凝固薬(NOACといいます)が発売されています。 その作用や効能の詳細は省きますが(「知っておきたい循環器病あれこれ」の99号「」参照)、一般にNOACは、ワルファリンより出血などの副作用が少なく、薬剤や食物との相互作用(薬剤の効果を弱めたり、強めたりする作用)が少ない、さらに、脳梗塞予防効果はワルファリンと同じかそれ以上、と報告されています。 どの抗凝固薬を選ぶかは、腎機能、肝機能、年齢、もともと持っていた心臓病などを考えて決めます。 過去に脳梗塞になったことがなければ、抗凝固薬を正しく服用していれば、どんなに長く心房細動が続いていても、たいていの場合、脳梗塞を予防できると考えてよいでしょう。 心房細動が長く続けば続くほど、脳梗塞になりやすくなるのではと心配される方も多いと思います。 しかし、抗凝固薬を飲んでさえいれば、心房細動発作がすぐに止まらないからといって病院に駆け込む必要はないのです。 一方、アスピリンなどの抗血小板薬は、心房細動による脳梗塞を予防する効果が弱く、テレビや雑誌などで話題になっている血液をさらさらにするという種々の食物なども、ほとんど予防効果のないことが証明されています。 不整脈の治療法 1)症状が強い場合 心房細動では、心房から心室に伝わる電気の割合が多くなれば、心室が速く動き頻脈となって、動悸や息苦しさといった症状が出てきます。 夜間や安静時に突然、胸が苦しくなって、時には胸の痛みなども伴いますので、心臓の血管が狭くなる狭心症とよく間違われ、ニトログリセリンなどを服用する方がいますが、心房細動には効きません。 特に動悸などの症状は、持続性心房細動よりも、発作性心房細動の人で強く出ます。 というのは心房細動が長く続いていると、だんだんその脈に慣れてくるのに対し、正常なリズム(非発作時)と異常なリズム(発作時)の両方を持っている人では、異常なリズムの心房細動になった時に症状の違いを感じやすいからです。 では、症状の強い心房細動には、どのような治療法があるのでしょうか。 そのためには、心筋細胞にナトリウムイオンやカリウムイオンが出入りするのを遮断して不整脈を防ぐ、10種ほどの抗不整脈薬があります。 しかし、いったん心房細動が起こるようになると、これらの薬で心房細動を完全に生じなくするのはまず困難です。 ですから、心房細動の停止薬・予防薬は、主として心房細動の回数を減らす、症状を軽くする、持続時間を短くする、などの効果を期待して使います。 ただし、脳梗塞を起こすリスク因子のある人は、これらの抗不整脈薬と並行して、抗凝固薬を服用する必要があります。 2)症状があまりない場合 心房細動があっても、症状がないか、あまり動悸を感じない人がいます。 一般に安静時の心拍数が1分間80以下だと、運動や仕事は普通にでき、運動時にもひどい頻脈にならないようです。 したがってこのような人は心不全にもなりません。 さらにアブレーション治療による根治療法も不要な場合が少なくありません。 ただし、脳梗塞のリスク因子がある場合は抗凝固薬が必要ですし、持続性心房細動の人では、一度は正常なリズムに戻るかどうかを、薬剤または電気ショックを与える方法で試してもいいと思います。 一方、頻脈なのに、症状のない、または少ない人がいます。 こうした人では、いつの間にか心臓の機能が低下していることがありますので、症状がないからといって安心できず、症状のある場合同様、しっかりとした治療が必要になります。 3)速い脈と遅い脈を併せ持つ場合 心房細動による動悸がおさまった時に、めまいやふらつき、失神が起きる人がいます。 こうした人の多くで、心房細動による頻脈発作が止まったときに、極端に脈が遅くなる徐脈や、一時的な心停止が見られます。 このような状態を徐脈頻脈症候群(または洞不全症候群)と呼びます。 このような人に対して、心房細動が起きているとき、抗不整脈薬によって心房細動を停止させ、心拍数を調節する治療を行うと、頻脈は出なくなるけれど、徐脈がひどくなって、ふらつきや失神が増えることがあります。 つまり、すべての抗不整脈薬は、頻脈を抑えることはできる反面、徐脈をもたらす可能性があるのです。 電気ショックは、100ジュール(注)前後の直流電流を一瞬、体に流して不整脈を止める治療法で、ほとんどの心房細動を停止させることができます。 (注)ジュールは、エネルギー、仕事、熱量、電力量の単位。 1ジュールは、約100グラムの物体を1メートル持ち上げる時のエネルギー。 人が集まる施設で見かけるAED(自動体外式除細動器:心臓救命装置)も電気ショックを起こす装置ですが、これは心房細動ではなく、心室細動を止めるために用い、心房細動時の電気ショックの2倍以上の強力な電気を流します。 心房細動を止める電気ショックでも強い刺激を与えますので、患者さんには、静脈注射で数分~10分ほど眠ってもらい、その間に治療をします。 初めてこれを行う場合は、最低1、2日間入院してもらいます。 ただし、何度も電気ショック治療を受けて慣れている患者さんには、日帰りで行うこともあります。 電気ショックは、薬剤を試した後に行いますが、症状のひどい場合は直ちに行うこともあります。 ただし、心房細動をなくす根本的な治療法でないため、これで心房細動が止まったとしても、すぐ(数秒~数時間内に)再発する人がいます。 数か月以内に再発した場合、再度電気ショックをしても効果は期待できませんので、アブレーションが次の治療の第一選択肢となります。 できれば受ける前に、食道に超音波内視鏡を入れる「食道エコー検査」で、心房に血栓のないことを確かめた方がよいとされています。 5)根治療法 心房細動の根治療法であるアブレーション治療は、「知っておきたい循環器病あれこれ」の35号「」や、「治療法」の「」で紹介されています。 ここではその中で触れられていない点や最新の治療法について解説します。 心房細動は、すでに説明しましたように、主な原因が左房の肺静脈の付け根から出てくる電気的興奮だとわかっています。 ですから、その電気が心房内に拡散しないようにするのが、この治療のポイントです。 当初は電気の発生部位の一つずつに高周波電流を当てて筋肉を焼く(火傷させて発生部位を取り除く)方法でしたが、うまくいかないことがわかりました。 そこで、〈図4a〉のように、右側2本と左側2本の肺静脈をまとめて、その周囲をリング状に焼き、電気が肺静脈から出て行かないようにする、つまり電気的に肺静脈を隔離する方法が行われるようになりました。 図4a 肺静脈隔離法によるアブレーション治療 左側2本ならびに右側2本の肺静脈をまとめて、その周囲にリング状に焼灼(焼くこと)する。 1回の通電で約5㎜の長さの焼灼ができるので、二つのリングを形成するのに約30~80回の焼灼が必要。 それにより焼いた部分の筋肉が変性し電気を通さなくなり、肺静脈内にある発電所からの興奮が心房に拡散しなくなる。 点線は焼いた部分(焼灼ライン)を示す。 焼いた後に筋肉が一部再生して、再び電気を通すようになると心房細動が再発する。 図4b バルーン法(冷凍凝固バルーン法、ホットバルーン法)によるアブレーション治療 肺静脈の付け根に風船(バルーン)を押し当て、凍結させるか、加熱して、肺静脈の入口の筋肉を変性させ、肺静脈からの異常な電気の拡散を止める。 肺静脈は4本あるので、計4~8回バルーンを押しつける。 バルーン法は、風船を押し当てた周囲の心筋を凍結させるか、もしくは熱で変性させるため、肺静脈でできた電気が心房に拡散できなくなって心房細動が治ります。 いずれも患者さんが麻酔で眠ったまま治療でき、入院期間は、問題が生じなければ5~7日間です。 しかし、冷凍凝固バルーン法は、左房や肺静脈の形により、治療可能な人と、そうでない人があるほか、ごく一部の患者さんに横隔膜神経麻痺などの合併症が起こる可能性が指摘されています。 注意していただきたいのは、心房細動が長く続くと、数年から十数年かけて徐々に左房が大きくなってしまうことです。 一般に左房の直径が50㎜以上になると、アブレーション治療の成功率が低下すると言われています。 ですから、根治を希望される方は、あまり左房が大きくならない前に治療を考えた方がいいでしょう。 このほかの根治療法に、血栓のできる場所(左心耳といいます)を、胸腔鏡を用いてはさみで切り取ってしまう方法や、カテーテルを用いて左心耳に小型の傘状の機器を押し込んで蓋をし、左心耳に血栓ができなくする方法も報告されています。 アブレーション治療では、治療前に最低1か月間、治療後に約6か月間は抗凝固薬を服用する必要がありますし、多くの人では治療後も一定期間、抗不整脈薬を継続する必要があります。 また、治療前に食道エコー検査などいくつかの検査が必要となります。 6)どれもうまくいかない場合 これまで述べてきたどの方法を試しても、心房細動を根治できず、発作時の自覚症状が残って苦しむ人がいます。 その場合、最後の手段として房室結節をアブレーション治療で焼いてしまい、心房から心室に電気が伝わらないようにしたうえで、ペースメーカーを植え込む方法があります。 心房細動が続いていても、ペースメーカーによって心拍数は一定になり、症状がなくなります。 発作が続いた時は無理に動かず 心房細動時の心構え 心房細動のある人は、発作が起こっているときに体を動かすと、房室結節が電気を通しやすくなります。 発作のない時は運動をしても徐々に心拍数が上昇するのに対し、心房細動時には心房から心室に伝わる電気の割合が突然増えるので、心拍数が急に上がり、血圧がやや下がり、息苦しい症状が出やすくなるのです。 発作が続いて苦しい時にはあまり無理をして動こうとせず、薬を飲んで心拍が治まるのを待ちましょう。

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映画『人魚の眠る家』あらすじネタバレと感想。ラスト結末も【篠原涼子&西島秀俊共演】

横隔膜 ペースメーカー

巻子さんは事故から一ヵ月後の8月に、3つの手術を同時に受けました。 (1)今以上にずれることがないように頚椎の固定術 (2)直接胃に流動食を入れるための「胃ろう」、そして (3)両足の骨折の手術です。 10時間もかかったそうです。 さらに2ヵ月後の9月には「横隔膜ペースメーカー」の手術も受けました。 心臓のペースメーカーは有名ですが、横隔膜のペースメーカーとは何か? 呼吸するということは、横隔膜が動くということ。 横隔膜の運動で肺が収縮し、呼吸ができるわけです。 そこでペースメーカーを埋め込み、横隔神経を刺激して呼吸を補助する。 巻子さんと同様に、頸椎の損傷で呼吸が出来なくなった患者さんに 横隔膜ペースメーカーを埋め込み人工呼吸器を離脱できた症例もあります。 巻子さんの場合は、呼吸筋が完全麻痺のためあくまで補助的な目的でした。 この装置がもし故障すると大変危険です。 またバッテリーにも寿命があり定期的な観察が必要だそうです。 実は、私自身も松尾さんにこの機械のことを教えて頂きました。 この医療機器は最先端医療技術で、巻子さんは日本で8番目の症例でした。 人工呼吸器や胃ろうだけでも管理がむずかしい、と言われている上に、 多くの医師も知らない「横隔膜ペースメーカー」が装着された患者さんは どこにも引き取り先が無かったそうです。 当時は、療養型の病床を半分に減らすという国の政策がありました。 1990年代に「社会的入院」が多くあって、国は財政赤字になり、 毎年2200億円の医療費が削減する政策が、続いていました。 同じ患者を長期に入院させておくと、診療報酬は段階的に減ります。 つまり病院は赤字になります。 そこで病院は患者を追い出さなくては、経営が成り立たない・・・ 巻子さんは、まさにこの時期にぶつかったのです。 大学病院にはすでに3ヶ月以上経っていましたので、 次の病院を探さなければなりませんでした。 大学病院の先生もあちこち探されましたが、人工呼吸器、胃ろうに加え どの先生も経験のない横隔膜ペースメーカー付きでは、みんな断られる。 富山県でリハビリが一番完備している病院にも、断られたそうです。 幸郎さんが驚いたのは入院する前に「次の病院はどこ?」と訊かれたこと。 これが重篤な病状の患者さんから見た、当時の診療報酬改定の実態でした。 もちろん巻子さんは社会的入院ではなく、一番病院を必要としている患者。 しかも病気ではなく、何の落ち度もない、過失割合ゼロの交通事故の被害者。 それが「門前払い」されるか、よくても「たらい回し」なる、と。 こんな理不尽なことがあるのでしょうか?と幸郎さんは嘆かれたそうです。 それとも他の病院が引き受けられないような最先端の治療(延命措置)が 施されたということが理由だったのでしょうか? 横隔膜ペースメーカーという最新医療技術のせいで、医療難民になった!? その当時の幸郎さんは、「頭が狂いそうだった」と振り返っておられます。 世界に冠たる国民皆保険制度、世界に冠たる医療制度と言われています。 しかしその怒りをどこにぶつければよいのか、幸郎さんは悩まれました。 (つづく) PS) 昨日の朝日新聞に、胃ろうの中止に関する記事が出ていましたね。 日本老年病学会の調査で、2割の医師が中止経験があるとのこと。 実は、現在、このことについてまさに本を執筆中です。 ご参考までに、以下、記事を引用させていただきます。 中止を経験した医師だけでも2割いた。 患者・家族の希望などが理由だ。 同学会は27日、胃ろうなどの開始や中止までの手順などを盛り込んだ指針を公表する。 胃ろうの目的は、自分の口で食事をとれなくなった患者が、回復するまでの栄養補給だ。 本人の不快感が少ない上、介護者が手入れしやすく、導入数が増えた。 厚生労働省研究班の調査では、胃ろうにした認知症の高齢者約1千人の半数が、847日以上、生存していた。 一方で、回復の見込みや患者・家族の事情を考慮せずに使うケースも増加。 意識もないまま、寝たきり状態が長く続く高齢者の存在が問題になった。 今回、朝日新聞は同学会と共同で、終末期の高齢者への人工栄養の実態を探るため、同学会の医師会員4440人を対象に6月上旬、アンケートを送り、1千人(回答率23%)から回答を得た。 この結果、過去1年間に、胃ろうなどの人工栄養を中止したり、差し控えたりした経験のある医師は51%を占めた。 中止は22%で、1人あたり平均で4.0回、中止していた。 中止の理由を複数回答で聞くと、「下痢や肺炎などの医学的理由」が68%と最多で、「本人の苦痛を長引かせる」が30%、「家族の希望」28%と続いた。 医師側から家族に中止を提案した医師も12%いた。 最期が近づいた患者に、過剰な栄養を入れると、むくみや痰(たん)が出て、肉体的な苦痛を伴う。 また、意識のないまま、死までの時間が長くなり、本人や家族が望まない延命につながることもある。 胃ろうなどを中止すれば、一般的に患者は1週間から10日で亡くなる。 一方、患者側は中止を希望したが、法的、倫理的な問題があると考え、中止しなかった医師も11%いた。 また、48%の医師が差し控えを経験していた。 平均で6.7回だった。 家族の希望が69%で最多で、「患者の苦痛を長引かせると判断」が48%、「本人の意思を家族から伝えられた」が42%と続いた。 病院への入院時や施設への入所時に、人工栄養の導入や中止について、24%の医師が書面で意思を確認していた。 同学会の指針は、人工栄養法について、患者本人や家族の意思を尊重し、支援するのが目的。 状況により中止や差し控えも選択肢となる手順を示す。

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本間生夫の「呼吸」ワールド Breathing world of Ikuo Honma

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CONTENTS• 映画『人魚の眠る家』の作品情報 C 2018「人魚の眠る家」 製作委員会 【公開】 2018年 日本映画 【監督】 堤幸彦 【原作】 東野圭吾 【キャスト】 篠原涼子、西島秀俊、坂口健太郎、川栄李奈、山口紗弥加、田中哲司、田中泯、松坂慶子 【作品概要】 東野圭吾の作家デビュー30周年を記念して書かれた同名小説を、『SPEC』『明日の記憶』の堤幸彦監督が映画化。 西島秀俊演じる播磨が経営する会社の研究員として、人気俳優坂口健太郎。 その恋人役には元AKB48川栄李奈。 その他のキャストに田中泯、松坂慶子、山口紗弥加、田中哲司ら豪華実力派俳優陣が作品の説得力を際立たせます。 映画『人魚の眠る家』のキャラクターとキャスト C 2018「人魚の眠る家」 製作委員会 播磨薫子(篠原涼子) 二児の母、長女の事故を機に生き方が変わる 播磨和昌(西島秀俊) 薫子の夫、医療機器メーカーハリマテクス二代目社長 播磨瑞穂(稲垣来泉) 薫子・和昌の長女。 プールで事故に遭う 斎藤汰鷹(播磨生人) 瑞穂の弟 千鶴子(松坂慶子) 薫子の母。 瑞穂の事故の時に居合わせる 美晴(山口紗弥加) 薫子の妹 播磨多津朗(田中泯) 和昌の父でハリマテクス先代社長 進藤(田中哲司) 瑞穂の主治医 星野裕也(坂口健太郎) ハリマテクスの技術者 川島真緒(川栄李奈) 星野の恋人で結婚を意識している 若葉(荒川梨杏) 瑞穂の従姉妹で、事故の際同じプールで遊んでいた 宗吾(荒木飛翔) 人魚の眠る家に惹かれる少年 映画『人魚の眠る家』のあらすじとネタバレ C 2018「人魚の眠る家」 製作委員会 小学生の宗吾は帰り道に友だちとキャッチボールをしながら下校していました。 ところがそのボールが一軒の家に。 その家は門扉に人魚が施されていた豪華な邸宅で、庭には子どもたちの遊び道具で溢れていました。 そして、そこに一人の少女が眠っていました。 その数か月前、薫子と和昌は、愛娘瑞穂のお受験の面談の模擬試験を受けていました。 そこに薫子の母千鶴子から瑞穂がプールで溺れ、意識がないという一報が飛び込んできました。 瑞穂は弟の生人と従姉妹の若葉、薫子の妹の美晴たちとプールに出かけていましたが、そこで溺れてしまったのです。 医師の進藤は、薫子と和昌に瑞穂が脳死状態にある可能性があることを伝えます。 そして、臓器移植の可否を訪ねてきました。 一度はそれに同意した二人、和昌の父多津朗も駆け付けた中で瑞穂の最期を看取ろうということになりました。 その瞬間、瑞穂の体が一瞬動きます。 いわゆるラザロ現象(脳死状態の体、不確定要素で瞬間的に反応する現象)だという進藤の説明を振り切って、薫子は瑞穂の延命を決断します。 薫子と和昌は、瑞穂の受験が終われば離婚する予定でしたが、その話もいったん納めることになりました。 瑞穂の全身状態は安定していていたこともあって、自宅療養となります。 さらに、和昌が自身の医療機器メーカーハリマテクスの技術プレゼンの中で、自発呼吸ができない人間に呼吸を助ける横隔膜ペースメーカーの存在を知り、瑞穂に移植したところ瑞穂の体の状態は更に安定していきました。 ハリマテクスの技術者星野は、恋人の真央との結婚を意識する中で、電気信号を人間の体の外から送ることで動かせない四肢を動かすことができるという技術をプレゼンします。 横隔膜ペースメーカーの移植で状態が良くなった瑞穂のことを考えた和昌は、この星野の技術を使って瑞穂の体を動かせればさらに体調が良くなるのではないかと薫子に提案します。 やがて、薫子は星野の手助けもあって、瑞穂の面倒を見始めるようになりました。 瑞穂は眠り続けていましたが、薫子は星野の技術を使って瑞穂の体は動かし続けます。 徐々に薫子は何かにとりつかれたように瑞穂の世話に没頭していきます。 一方で和昌は、瑞穂の生死を自身のエゴで操っているのではないかと思い悩むようになります。 薫子と和昌の意識の齟齬が頂点に達した時、薫子はこれから娘を殺すと警察に通報。 駆け付けた警官に対して、脳死状態にある娘を殺す自分は、殺人犯になるのかと問いかけます。 薫子が殺人犯となれば瑞穂は生きていることになり、薫子が罪に問われなければ瑞穂は死んでいるということになります。 周りの人間からの説得を受けて冷静さを取り戻した薫子。 その翌朝、瑞穂は息を引き取りました。 それからしばらくして、宗吾が自宅に帰ってきます。 宗吾は心臓の病を抱えていましたが、ドナーが見つかり助かりました。 宗吾はさっそくあの人魚の門扉の家に向かいますが、家はすでに亡くなっていました。 その時、宗吾の新しい心臓が何かに反応したかのように鼓動しました。 映画『人魚の眠る家』の感想と評価 C 2018「人魚の眠る家」 製作委員会 2018年秋は脇で魅せる西島秀俊の演技力 『オズランド』や『散り椿』。 そして本作『人魚の眠る家』3作連続で脇に回った西島秀俊。 今や主演型日本人俳優の一人である一方で、かつては脇に回って抜群の存在感を見せていました。 90年代後半から数年間、諸事情もあり民放ドラマに顔を出すことができないことがあって、NHKやWOWOW、映画などで腕を磨きました。 その甲斐もあって西島秀俊は、今や硬軟自在な役者として抜群の存在となりました。 2019年には主役として映画『空母いぶき』が待機中。 今度は映画の座長として登場します。 強き母を演じる篠原涼子の演技力 C 2018「人魚の眠る家」 製作委員会 常にかっこいい女性を演じてきた篠原涼子。 そのキャラクターを決定づけたのは、「アンフェア」シリーズでした。 この時の娘を演じた子役が現AKBの向井地美音であることがトリビア的に知られていますが、ここへきて母親役が続きます。 『SUNNY強い気持ち強い愛』『今日も嫌がらせ弁当』で母親役が続きますが、今回の母親像はある種の究極的な母性の持ち主を演じます。 中盤明らかにホラー・サスペンスの演出方法を取り込んで彼女を描いた堤幸彦監督。 母性の狂気を演じた 篠原涼子はさらに一歩女優としてのステップを上がったと言っていいでしょう。

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