背中 の 蜘蛛。 『背中の蜘蛛』(誉田哲也)_第162回 直木賞候補作

セアカゴケグモ

背中 の 蜘蛛

しかし捜査は、遅々として進まない。 そんなとき捜査一課長から、殺された男の妻の過去を、ひそかに調べるように命じられる。 命令系統から外れた捜査一課長の指示を怪しみながら、本宮はふたりの部下を使い、妻の過去を調べるのだった。 事件の犯人も殺人の動機も、分かってみればありふれたものである。 だが、事件を解決に導いた、捜査一課長の命令は何だったのか。 疑問が解かれぬまま、第二部 「 顔のない目」 が始まる。 こちらは違法薬物の売人が爆殺され、尾行をしていた警視庁本部の組織犯罪対策部に所属する植木範和が負傷。 事件は、植木と組んだことのある高井戸署の佐古充之が掴んだ情報により解決する。 しかし情報の出どころが不鮮明だ。 疑問を感じた植木は、その情報の出どころを突き止めようとする。 そんな彼に声をかけたのが、今は捜査一課の管理官になった本宮であった。 (細谷正充/「小説推理」 より抜粋) 二つの事件は (表向きには) 何ら関係のない、およそ別々のものでした。 そして、捜査に当った現場の警察官のほとんどが、概ね事件は解決したと、そう信じて疑いもしませんでした。 最初の事件では池袋署刑事課の課長として事件に当った、次の事件では捜査一課の管理官となって事件を指揮した警視の、本宮夏生でした。 本宮は、「あること」 に気付きます。 ありふれたかに思えた二つの事件に共通する、ある 「奇妙な点」 に、常にはない違和感を抱いたのでした。 それが 「何か」 はわかりません。 ただ裏で 「何か」 が繋がっており、その 「何か」 のおかげで、事件は容易く解決したのではないかと。 このあと、読者の多くのみなさんは、おそらく得体の知れない現実に言葉を失くすことになります。 今ある日常を、もしもあなたが何程の危機感も持たずに生きているとするなら、最大級のダメージを負うはずです。 あなたは、携帯電話の基地局に成りすまし、あらゆる通話を盗聴する 『スティングレイ』 という機材のことをご存じでしょうか? 米国で開発された、『PRISM』 や 『XKeyscore』 や 『バウンドレス・インフォーマント』 といった通信傍受システムについてはどうでしょう? もしも、それらを駆使することで、我々のプライベートなすべての情報が剥き出しのままに晒されて好き勝手に閲覧され、場合によっては利用されたりしているとするなら、この先我々は何を以てそれに対することができるのか・・・・・・・ この警察小説はフィクションです。 但し、今のところは。 あなたに、今の日本の現実を正面から見つめる覚悟はありますか? 読むと、あなたはもうこれまでの日常には戻れなくなります。 学習院大学経済学部経営学科卒業。 作品 「妖の華」「アクセス」「ストロベリーナイト」「武士道セブンティーン」「ハング」「あなたが愛した記憶」「ケモノの城」他多数 『そこへ行くな』井上 荒野 集英社文庫 2014年9月16日第2刷 そこへ行くな 集英社文 『痺れる』沼田 まほかる 光文社文庫 2012年8月20日第一刷 痺れる 光文社文庫 『砂漠ダンス』山下 澄人 河出文庫 2017年3月30日初版 砂漠ダンス 河出文庫 や 『その話は今日はやめておきましょう』井上 荒野 毎日新聞出版 2018年5月25日発行 その話 『御不浄バトル』羽田 圭介 集英社文庫 2015年10月25日第一刷 御不浄バトル 集英社文 『死にたくなったら電話して』李龍徳(イ・ヨンドク) 河出書房新社 2014年11月30日初版 『最後の命』中村 文則 講談社文庫 2010年7月15日第一刷 最後の命 講談社文庫 『潤一』井上 荒野 新潮文庫 2019年6月10日3刷 潤一 新潮文庫 「好きだよ 『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』滝口 悠生 新潮文庫 2018年4月1日発行 ジミ・ヘ 『その街の今は』柴崎 友香 新潮社 2006年9月30日発行 その街の今は 新潮文庫• カテゴリー• 人気の記事 過去30日間• 99件のビュー• 95件のビュー• 92件のビュー• 60件のビュー• 59件のビュー• 51件のビュー• 49件のビュー• 47件のビュー• 46件のビュー• 45件のビュー• 44件のビュー• 42件のビュー• 40件のビュー• 40件のビュー• 38件のビュー.

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背中の蜘蛛 / 誉田 哲也【著】

背中 の 蜘蛛

クモ(蜘蛛)は、節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目に属する動物の総称で、昆虫亜門(六脚亜門)に属する昆虫とは分類上はあまり近くない。 同じクモガタ綱に属する動物には、サソリ、カニムシ、ザトウムシ、ダニなどがいる。 クモの体は、頭胸部と腹部の2つの部分からなり、頭部・胸部・腹部の3つの部分からなる昆虫とは異なっている。 頭胸部からは4対のあしが生えている(昆虫は胸部から3対のあしが生えている)。 頭胸部の背面には、ふつう8個の単眼があるが、ハエトリグモ科やコモリグモ科など徘徊性の種類を除いてはあまり発達していない。 その代わり、振動覚(振動を探知する感覚)がよく発達しており、網にかかった獲物を感知したり、配偶相手を認知する際に活用する。 頭胸部の腹面には大顎、牙などからなる口器のほか、1対の触肢がある。 オスの触肢はふくれて交接器になっており繁殖行動の際に使われる。 ほとんどの種類は毒腺をもっており、獲物を咬んだ際に牙から毒液を注入して相手を麻痺させる。 セアカゴケグモやカバキコマチグモなど一部の種類は毒性が強いため「毒蜘蛛」とされ、咬まれると危険だが、ほとんどの種類は人間に深刻な危害を与えるほどの毒性はもたない。 腹部の腹面の前方には、書肺と呼ばれる呼吸器官があり、後方には糸を出す器官である糸いぼがある。

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クモ

背中 の 蜘蛛

うーん、好き嫌いがハッキリする作品だと思います。 この作品は3章から構成されており、1章、2章、に繋がりが見出せないまま、3章へと続いていきます。 しかも、登場人物が多いので、途中で誰が主人公なのか?誰がどんな過去を持っているのか、ちょっと迷子になりかけました。 確かに新しい警察小説にしようとサイバー関連を題材にしていますが、根底には人間って何なのだろうか、人を繋ぐものは何なのだろうかと言うことを問われたような感じで、そこに私的ですが落差がありすぎて、正直、盛り上がりに欠ける作品に感じました。 ネタバレしてはいけないので詳細は記載しませんが、何となく終盤にかけてラストの顛末はわかってしまいます。 しかし、正直、胸糞悪いそして哀しい展開には正直、驚きながらも、やっぱり気分悪いです。 心の闇が伝染させられたような作品なので、読後、思いっきり疲れました。 暗くなりました。 本当のラストは、未来に対する正義感を胸に警察組織は発展していくべきだと言うように持っていきたいのだろうとは思いましたが、私には誰が救われたのか?サッパリ不明でした。 ご参考までに! 「背中の蜘蛛」(誉田哲也 双葉社)を読みました。 池袋で起きた刺殺事件が、あるタレコミによって解決。 また、新木場で起きた爆殺事件も似たようなタレコミによって捜査陣は解決の糸口をつかみます。 捜査側の管理官、本宮の視点、同じ警察側、上山の視点。 そして次第に暗い姿を現しはじめる地球規模の<闇>。 <第一部・裏切りの日々>は少し古風な雰囲気で始まり、紋切り型の登場人物がウロチョロして途中で読むのを止めることも考えましたが 笑 、次第に読ませる警察小説に変化していきました。 「巧み」だと思います。 ストーリーの根幹を書き進めてしまうとこの小説の持つテーマを暴露しかねませんので、難しい。 この国のスリラーは、伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を嚆矢として緩慢ながら変化していっているのだと思います。 警察捜査もDNAにはじまり、ドローン、GPSなどのテクノロジーを抜きにして語ることはできなくなっていますね。 今回は、現実世界を覆い尽くす「雲」、あるいはメタ・データがその主題にあり、そのことが引き起こす別の主題と向き合いながら、そのことへの「橋渡し」がうまく描かれているような気がします。 その主題は誰もが「蔑ろ」にはできません。 昨今の欧米のスリラーあるいはエスピオナージュではある意味当たり前に描写されている<小道具>に焦点を当てて、キレがいいUp-to-dateな警察小説に仕上がっていると思います。 ディーン・クーンツの著作に沿って「闇が光として通用するこの危険な時代には、正義も不正も同じ顔をしている」と表される世界の中の「日本」という国もまた、<サイレント・コーナー>ではいられない時を迎えたことへの「警告の書」として読むこともできます。

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