いつまでも変わらないもの。 いつまでも変わらない

神田沙也加、松たか子、武内駿輔、原慎一郎 ずっとかわらないもの 歌詞

いつまでも変わらないもの

日本に深く関わりながら、日本人にその存在を知られていない外国人はたくさんいます。 20世紀初頭に活躍したフランス人実業家のアルベルト・カーンもまたその一人でしょう。 カーンの残した功績と、日本の経済界や文化面に与えた影響ははかりしれません。 彼の偉大な実績の数々は、以下に紹介する動画の中で流れる、美しい写真の数々によって表現できます。 カーンは、あらゆる世界に居住する人類の姿と生活を記録した「地球映像資料館」の設立を目指して、世界中にカメラマンを派遣して現地の様子を写真や映像に収める活動を始めました。 その取材旅行も兼ねて 1908年に来日したカーンは、同行したカメラマンに日本の風景やそこで生活する人々の姿を撮らせました。 ほとんどが当時の最新技術を駆使したカラー写真で、美しい日本の原風景とそこで生活する当時の日本人のありのままの姿がこの動画であますところなく紹介されています。 同行したカメラマンのアルフレッド・デュテルトルは、都市化の進んだ街に住むオシャレな都会人より、日本の原風景が残っている、奥深い農村に住む人々を好んで被写体に収めていきました。 緑豊かな田園風景の中で、和服を着た女性や無邪気に戯れる子供たち。 静かながら、生活の躍動感と清らかな息づかいが聞こえてきそうな貴重な写真の数々です。 肌の色も言葉も、文化的な素養も民族的なアイデンティティも異なる、異教の地からやってきた得体のしれないカメラマンに対し、ここまで素の表情を見せる日本人もさることながら、何の警戒心も持たせず豊かな人間としての素顔を引き出すデュテルトルの腕前には脱帽するところがあります。 素朴で、異国人であろうとおもてなしの心を失わない日本人の姿は、 100年前から健在でした。 カーンとデュテルトルが訪れた旅館のウェイトレスは、床に膝まずいて二人をおもてなしました。 そのへりくだる接客の姿勢に、カーンとデュテルトルが感激したのはいうまでもありません。 日本人の気高い精神と美しい民族性、異文化を許容する大らかさはカーンを虜にし、死ぬまで日本びいきを貫きました。 カーンは日本へ投資することで財を築き、一実業家として名をはせました。 日本とのビジネスを成功させる傍ら、自宅に日本庭園につくるほど、日本文化に傾倒しました。 彼は地球映像資料館の構想のため、世界約 50か国へカメラマンを派遣し、 72,000点以上のカラー写真を撮らせ収集しましたが、中でも日本で撮影した写真や映像を重要視したといわれます。 日本旅行の際に撮影された写真は実に多彩ですが、庶民の生活を切り取った素朴なもの以外にも、有力大臣や皇族との交流を収めたフィルムも紹介されています。 日本財界に強い影響を与えたカーンは、総理大臣経験者でもある大隈重信邸を訪問し、大隈本人を撮影した貴重な写真を残しました。 また、明治の財界人であり、慈善事業などでも大いに活躍した渋沢栄一との交流写真、または、北白川宮家の日常を映した写真もあり、当時の皇族たちの生活風景がうかがえる貴重な文化的資料ともいえます。 「地球映像資料館」の 2度目の取材旅行で同行したステファン・パセは、京都で風雅な生活を送る芸者の姿を多く写真に収めています。 フィルムに収まったいたいけな少女たちは、厳しい芸の世界に生きているといった暗いイメージはなく、華やかで、自信に満ち溢れ、闊達として生き生きした表情を見せています。 田舎の庶民の素朴な生活と風景を撮り続けたデュテルトルに対し、パセは京都の世界で生きる芸者に興味を覚え、その写真を多数残しました。 パセは、まだ十代のあどけない少女を映しだすことで、一千年以上の歴史を誇る京都の文化性を切り取ろうとしたのかもしれません。 カーンに同行したカメラマンが撮影した写真は、いずれも戦前の日本です。 ありのままの、飾らない日本人の姿がそこに活写されています。 戦前の日本といえば、何かと暗いイメージで語られがちです。 しかし、この動画で紹介されている、写真に収められた当時の日本人の素顔を見てみると、今の私たちとほとんど変わらない、異人であろうとおもてなしする、争いを好まぬ平穏な人たちであることが分かるはずです。 動画の中で、こんなナレーションが流れます。 カーンが地球映像資料館を設立した目的について、「どこの国の人間もみな同じであることを証明したい」。 民族や文化、宗教の違いはあれど、そこにはどこも変わらぬ命の営みがある。 そういう普遍的な真理の前には、いかなる争いも無力である。 静かに流れる写真の行間からは、そんなメッセージが読み取れなくもありません。 カーンがこの世を去って 70年以上が経過しましたが、今なお地球上では民族間の対立や宗教を巡る紛争、貧困や政治の腐敗から起きる内戦などが後を絶ちません。 戦後 70年、平和を享受してきた日本が今、できることは何か、カーンが残した写真とメッセージを紐解くことで、その答えが見つかるかもしれません。

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いつまでも変わらないことで伝えるもの 女優・松峰莉璃さん_中国網_日本語

いつまでも変わらないもの

で行われている「東西SHOW合戦」。 関西ジャニーズJr. として選抜された・・・が、関東Jr. 選抜のと舞台に立っている。 そこで歌っているのが の ' 2nd Movement ' だ。 誰もがびっくりしたのではないだろうか。 そして、たくさんの人が昔を思い出し、色んな感情が引き起こされたのではないだろうか。 私もすごくびっくりした。 胸が締め付けられた。 康二くんは、どんな気持ちでこの曲を選んだのだろう、どんな想いを持ってこの曲を踊るのだろう……答えが出ない疑問をグルグル考え続けていた。 まず、この曲がどのようにして選ばれたのか分からない。 けれど、相当な覚悟を持ってやることにしたのだろうなというのは想像がつく。 きっと、セカムブをやったらKinkanを思い出す人たちがたくさん出てくる。 全員が嬉しい思いをするわけじゃない、それも分かっていたことだと思う。 だけど、やることを選んだ。 2回SHOW合戦を見に行き、2回とも康二くんだけを見た 3人ごめんなさい。 踊りを、表情を、見た。 あぁ…………大人になったんだな……… と思った。 ダンススキルはもちろん上がっているし、当時Kinkanとして魅せていたセカムブは熱くて、闘志でメラメラで、感情が溢れているようなものだったと思うが、で見た康二くんのセカムブは、冷静に、落ち着いて、真っ直ぐ前を見据えて、届けるようなセカムブだった 主観。 【2月24日夜公演】 かつて一緒にセカムブを踊っていた、グループとして肩を組んで歩んできた紫耀くんが、東西SHOW合戦を見学しにきた。 ただでさえ、紫耀くんがいないときでも儚くて切ない表情をしながら踊っていた康二くんが、どんな表情で踊ったのか、どんな想いで踊ったのか、想像がつかない。 そして、紫耀くんはどう思ったのだろう。 紫耀くん黒髪だったしANOTHERで覚えたあの甘い香りに似た懐かしい香りがしたし絆で勝手にしょぉこじの世界作るくせにアンコールでは互いが互いを見るタイミングが全然合わなくて康二は寂しそうに花道戻って行ったけど………康二の2nd Movementを見て、俯いたのは、紫耀くんだよ。 — 6 wakana0615 の2nd Movementの時、私泣いちゃって、周りにも泣いてる人いて、でも紫耀くんの反応を見たくて、振り返った時に見えたのは、切なそうに見つめて、俯いてた紫耀くんでした。 思い出で溢れているに決まってて。 紫耀くんは、ずっとたくさんのことを自分で抱えて受け止めて歩いてきたんだろうな、と思う。 引きずらないで、今を一生懸命生きてアイドルをしてくれていたのはいつも紫耀くんだった。 本当は無理やり引きずらないでいてくれたのかなぁ、と思う。 無理やりでも前を向いて受け入れて、ファンの人に素敵なパフォーマンスを、今一番最高なものを、って一生懸命活動してくれていたのかなと思うと、こんなにかっこいい人はいないと思う。 物議をかもした。 棘がある言い方にもとれるけれど、これが紫耀くんなりの精一杯の覚悟だったのかなぁ。 今読むと、彼の精一杯に涙が出てくる。 そんな、少し早めに割り切って大人になった紫耀くんが、昔のことを思い出して何かを感じたりできる時間があったことが嬉しくてたまらない。 ずっと止まったままではいけない。 今が一番最高だっておもってもらえるようにしないといけない。 それは舞台に立ち続ける人たちの責任だと、私は思う。 康二くんも覚悟を決めた。 そして動き出した。 もうみんな、動き出している。 その覚悟に、ついていきたい。 そしていつか、康二くんと紫耀くんの一万字インタビューが読みたい。 西畑さんや廉ちゃんや流星の話も聞きたい。 ずっと私たちの中で当時のセカムブは生き続けるから、ずっと好きでしょうがないから、6人にはこれからも自分の道を信じて歩んでいってほしい。 6人とも、いつまでも輝いて。 osamnkanj15.

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いつまでも変わらないもの

いつまでも変わらないもの

あの頃は、ただ楽しかった。 「としにーちゃ!」 小さな手が伸ばされる度に、微笑んで手を握った。 「歳兄ちゃん」 追いかけてくる小さな足音を、笑って待っていた。 並んで歩く2つの影は、ずっと変わることがなくて。 けれどもいつしか2人は大人になって。 手を繋がなくなったのはいつからだろう。 挨拶代わりのキスを、あいつがしなくなったのはいつからだ? 変わりゆくもの、変わらないもの 「歳三くん」 振り返れば、そこにいたのは初恋の人。 隣の沖田家の長女、光。 あれから彼女は結婚をして家を出た。 「光さん。 お久しぶりです」 「久しぶり、元気だった?」 「はい、光さんもお元気そうで・・・」 「今から帰るところ?」 「はい。 ちょっと買い物をした帰りで・・」 「じゃぁ一緒に行こうか。 私も今日は里帰りなの」 2人は並んで歩き出した。 歳三は、昔からこの綺麗な人に憧れていた。 けれどもそれはいつしか家族に対する愛情と変わりないのだと気付いた。 彼女が結婚すると聞いても、本当におめでとうという気持ちしか沸いて来なかったから。 でも小学五年生の頃までは、この人しか目に入っていなかった。 それが変わったのは、ある少年に出会ったから。 気がついたらあいつのことで頭がいっぱいな自分がいた。 「歳三くんも、もう大学生かぁ・・・」 「もう卒業ですけどね」 「早いなぁ・・昔はこんなに小さかったのにね」 光は歳三を見上げて笑った。 昔は歳三が彼女を見上げていたというのに。 「キンは留学したままだし」 「むしろもう行ったままでいいですけどね、あいつの場合」 沖田家の次女、キンと歳三は所謂犬猿の仲だ。 高校卒業と同時にかつて住んでいたアメリカに彼女は留学をしていた。 キンの名を聞くだけで、歳三の眉間には皺が寄る。 相変わらずの歳三にくすくすと笑って、光の話題は沖田家最後の一人へと移った。 「総ちゃんも、来年から高校生だもんねぇ・・・」 そこまで言って、光は歳三の前に回りこんで声を小さくした。 「ところで歳三くん、最近総ちゃんどう?」 「どうって・・何がですか?」 「だって最近あの子と会ってないんだもん。 そろそろ反抗期とかかなぁ、とか心配で・・・」 本気でおろおろしている光に、歳三は思わず吹き出した。 総ちゃんとは、正確には総司。 沖田家の末っ子であり長男である。 末っ子であり唯一の男の子でありさらに歳の離れた弟を、光もキンも溺愛していた。 総司に反抗などされた日には、きっと光さんは倒れると思う。 「大丈夫ですよ、あいつ反抗期ないみたいだし」 「本当!?」 正確にはあった。 しかしそれは歳三限定で、被害を被ったのは歳三一人だ。 だが、それも中学生の最初の頃で終り、今では全く変わりない。 あの頃のことを思い出すと、思わず顔も引きつってしまう。 それまでは兄ちゃん兄ちゃんとくっ付いてきたものを、 ある日突然完全に無視されるようになった。 街や家の前で顔を合わせても、目も合わせてくれない。 何か誘えば嫌だと言うし、触れようとしたら逃げられる。 その時まで甘えられ続けた歳三にとって、それは余りに衝撃的だった。 反抗期が過ぎた後は本人はケロッとしたもので、相変わらず近寄ってくるようになったが たぶんその時だったと思う。 暫く談笑しながら歩いていると、前方にうろうろとしている人影を見つけた。 人影もこちらに気付いたようで、嬉しそうに駆け寄ってくる。 「光ちゃん!歳兄ちゃん!」 満面の笑みで走ってくるのは、話題の主、総司だ。 光が広げた両腕の中に、総司は真っ直ぐに飛び込んできた。 「光っちゃん、おかえりなさい!」 「総ちゃんただ今!元気だった〜?」 きゅっと抱きしめられて総司は嬉しそうだ。 こんなところは、いくつになっても変わらない。 まだ光よりも小さな身体は、久しぶりの姉の腕に優しく包まれていた。 「お母さんも待ってるよ、早く帰ろう光ちゃん」 「はいはい、そんなに引っ張らないで総ちゃん」 にこにこと光の腕を引っ張っていた総司は、歳三を見上げて笑顔を見せた。 「歳兄ちゃんもお帰りなさい」 「ただ今。 ずっとここで待ってたのか?学校は?」 「今日は午前中で終りだったんだよ。 だから光ちゃんのお迎え!」 総司は光の腕を引っ張るのと反対側の手で、歳三の腕を引いた。 ふわっと甘い香りが鼻をくすぐる。 「ね、歳兄ちゃんも今日はうちに来る?」 「・・・さぁな」 「えー!なんで?光ちゃんのお帰りパーティだよ?」 「試験が近いんだよ・・・」 「いっつも勉強しないくせにー」 「うるせ、お前こそちゃんと勉強してるのか?受験生」 「してるもん。 あ、そういえばわからないところがあるの。 お兄ちゃん教えて?」 「後でな」 「やった〜!じゃぁ光ちゃんと遊んでから持っていくね」 「遊ぶのかよ!?」 相変わらずな2人の会話を、光は笑いながら見つめていた。 確かに変わることのない何気ない言い合いだけれど、歳三の中で何かが変わっているのを光は知らない。 「だからな、このxを出すには・・・」 「んー・・・????」 数学の参考書を前に格闘する総司に、根気強く説明を繰り返す。 なぜかは知らないが、総司は数学が大の苦手だ。 英語はもちろん、その他の教科はトップクラスなのに数学が足を引っ張る。 だから総司の母親は、歳三に数学の猛特訓を夏に依頼し、依頼数学は歳三の役目だ。 「そっちに代入してみろよ」 「代入・・・・あっ、出た!!」 「だろ?」 「うわー!凄い、ありがとー!」 「お前も大分できるようになったじゃねぇか。 これなら志望校も合格圏内じゃねぇのか?」 「え?」 きょとんとした総司に、笑って額を小突く。 「え、じゃなくて。 一高受けるんだろう?」 一高は、この学区では有名な進学校で競争率も偏差値も高い。 しかし付属高校なので、入った後は大概が付属の国立大学に入れるのだ。 歳三はその大学に現在通っている。 総司は小学生の頃からずっと、歳兄ちゃんと同じところに行くと言っていた。 しかしこの問いに、総司は曖昧に頷いた。 「うん・・・」 「・・・?何だ、一高やばいのか?」 「そういうわけじゃ・・・先生には大丈夫って」 「ならいいじゃねぇか。 ・・・・それとも、志望校変えたいのか?」 総司はふるふると首を振った。 それ以上何も言うことなく目の前の問題に集中する総司を、歳三はじっと見つめていた。 こいつが全てを俺に話さなくなったのはいつだったろう。 昔はどんな些細なことも相談しにきたと言うのに。 だからそれを聞いた時、最初に来た感情は怒りよりも寂しさだったと思う。 「留学・・・!?」 姉のぶの言葉に、歳三は手にしていたコップをテーブルに置いた。 驚いた様子の弟にのぶは不思議そうな顔をしている。 「聞いてないの?」 「・・・・総司が・・・留学・・?そんなこと一言も・・・」 何も言わなかったじゃないか。 眉を顰めた弟を、のぶは困ったように見つめた。 「そう・・きっとお別れが寂しくて言い出せなかったのね。 高校からは向こうでキンちゃんと暮らすって・・」 「決まってたことなのか・・・?」 「いいえ。 ずっとキンちゃんが誘ってたんだけど、本人に行く気がなくてね。 でも最近になって急に」 「急に?」 「そうなの、卒業したら行きたいって。 ・・・寂しくなるわよねぇ」 のぶは憂い顔で呟いた。 しかし歳三はそれ以上何も聞かず、黙って部屋へと戻っていった。 いつまでも変わらない、いつだって追いかけてくるんだってそう思ってたのに。 いつの間にあいつは大人になってしまったのか。 幼い弟に与える愛情だと思ってたものが、違うと気付いたのはあの頃だ。 中学生の初め、あいつの短い間の反抗期。 人並み、それ以上に遊んできたけれど、あいつ以上の人間には巡り会えなくて。 反抗期の最中だったと思う。 ソファーで無防備に寝ている総司に、そっと口付けてしまった。 まるで弟に手を出すような罪悪感よりも、勝ったのは喜び。 欲しかったのはこれなのだと、知ってしまったから。 いつか、もう少し大人になったら伝えたいと、そう思っていたのに。 あいつは俺の腕の中から去っていこうと言うのだ。 「留学したかったのか?」 いつも通り宿題を尋ねに来ていた総司は、そう言われて大きな瞳を見開いた。 生来素直な性格だから、考えていることがすぐ顔に出る。 どうして知っているのと瞳が語っていた。 「のぶ姉に聞いた。 なんで言わなかった?」 「・・・・・怒ると思って・・」 「怒る?俺がか?・・・・怒るわけないだろ、お前のことなんだから」 「・・・・ごめんなさい」 「謝るな。 いつ行くんだ」 「来週・・・卒業式が終わってすぐに・・・」 「来週だって?」 あまりに早すぎることに、さすがに歳三も驚きを隠せない。 なぜそんなにも早く行こうとするのだ。 「キンちゃんが、一度来たらって・・・家とか見たほうがいいから・・本格的に行くのは来月からだけど・・」 「こっちで受験はしないんだな・・・」 「でも・・勉強はどっちにしろいるし・・だから歳兄ちゃんに教えてもらったのは無駄じゃないし・・・」 それきり二人の間に重い沈黙が落ちた。 離れるなんて、考えてこともなかったから。 寂しいというよりは、どこか裏切られたような、空虚な気持ち。 「お前、いつから行きたかったんだ」 「え・・」 「向こうに。 ずっと考えてたのか?」 総司はふるふると首を振った。 「ずっと・・ずっと一高に行って、歳兄ちゃんの大学に行ってって思ってた・・・でも」 「でも?」 「駄目なんだってわかったんだ」 「駄目?学力なら大丈夫なんだろう?」 「そうじゃなくて・・僕は日本を出ないといけないの・・・」 「出ないといけない?何だ、お前何を言ってる?」 総司はノートを仕舞って立ち上がった。 そのまま扉に向かおうとする細い腕を、慌てて掴む。 「おい!待てよ!」 「向こうに行ったら・・・・!」 扉を背に、総司は振り返って言う。 俯いた顔が、さらりと流れた少し長めの髪に隠れた。 「暫く帰ってこないつもりなんだ・・・お休みの間も・・1年かもしれないし、10年かもしれない」 「・・総司?」 「小さい頃は、考えられなかった、歳兄ちゃんと離れるなんて。 でも・・・きっと暫く会えない」 淡々と話す総司に、苛立ちが募る。 一体こいつは何を言っている。 「お前は、俺から離れたいのか?」 「離れたい。 離れないといけないんだ」 「何?」 「だから手紙も書かない、メールもしない、帰っても来ない!」 「・・総司・・・?」 がばっと上げられた瞳には、うっすらと涙が。 「だから・・さよならなんだ・・・・歳兄ちゃん。 今まで・・本当にありがとう・・・」 掴まれた手をそっと押し戻して、総司はドアを開けて出て行ってしまった。 階段を下りていく足音がどんどんと遠ざかっていく。 その音を、俺は呆然と突っ立って聞いていた。 さよなら? もうこれで終りだというのだろうか。 いや、それよりも。 「離れたい、か・・・・」 そこまで嫌われていたなんて。 いっそさらって行こうなんて考えていた。 思いを伝えて、抱きしめて、アメリカなんかにやるもんかって。 でも伝える前に全ては終わった。 ずるずるっと扉に背を預け、座り込む。 考えたことなんてなかったから。 いつだってトントンと軽い音を立てて、あいつがこのドアを開けるのだと。 それがなくなるなんて、想像したことさえなかったんだ。 だから何もしなかった。 もう少しこのままで、歳兄ちゃんでいようと。 全てはもう手遅れだけれど。 その日は雲ひとつない晴天だった。 今日は総司の中学校の卒業式。 あれから一週間、一度も総司とは会っていない。 向こうが避けていたのかもしれない。 昨夜の土方・沖田家のさよならパーティーにも歳三は顔を出せなかった。 「今頃は・・終わった頃か・・」 自宅のソファーに腰掛けて、テレビのチャンネルを回す。 幼稚園の卒園式も、小学校の卒業式も、全部出席した。 証書を手に笑顔で駆けて来る少年を、抱きとめるのはいつだって自分だったのに。 今日、あいつはその足で空港に行くという。 見送りはいらないと総司が言うので、皆は中学校で別れを告げるらしい。 お前は見送りに行かないのかと聞いた家族に、歳三は何も答えなかった。 きっと寂しいのね、と笑っていた姉。 すぐにまた会えるわよと笑う母。 皆知らない、あいつが戻るつもりはないということを。 俺の傍には二度と戻ってこないということを。 つまらないテレビを消して、歳三はぼーっと庭を眺めた。 本当に総司とは色々なことをした。 最初に出会ったのはこのソファーの上だ。 バレンタインチョコを嬉しそうに頬張った笑顔が忘れられない。 雛飾りで遊んだこともあった。 雛壇の上でうっかり二人して眠ったのだった。 たくさんの時を過ごした。 クリスマス、お正月、誕生日、夏休み。 いつだって隣にキラキラ輝く笑顔があって、いつだって名前を呼んでくれる声があって。 胸が締め付けられるようだ。 今日から、その全てがなくなるというのか。 息苦しさを感じた歳三は、窓を開けて風に当たろうと思った。 その目が、ふと黄色を捉える。 庭の大きな木の下にゆらゆら揺れるタンポポ。 なぜ目に付いたのだろう、ただのタンポポなのに。 『10年後に掘り出そうな』 ハッと、歳三は裸足のままで庭に降りた。 なぜ忘れていたのだろう、そうだこの木の下には。 駆け寄って、その土が最近掘り起こされた様子に驚く。 まさか。 爪に土が入るのにも構わず、歳三は地面を掘った。 ほどなくして、見覚えのある箱が姿を現す。 そうだった、小学生の頃、タイムカプセルを埋めたいと言った総司と一緒に埋めたもの。 10年たったら総司はもう中学生だ、考えられないなと笑ったあの頃。 箱にこびりついた土をそっと払って、固くなった蓋を開いた。 入っていたのは二通の手紙、一通は俺が総司に宛てたもの、もう一通は幼い総司が書いたもの。 「ん・・?この封筒・・・」 明らかに最近入れたばかりのような綺麗な封筒に、歳三は眉を寄せた。 ここの土は一度掘り返された跡があった。 まさかとは思うけれど。 そっと真っ白な封筒を開く。 中から出てきた便箋には、見慣れた綺麗な文字が。 『 歳兄ちゃんへ この手紙をお兄ちゃんが見つけるのはいつだろう。 お兄ちゃんってば忘れていたでしょう?僕はずっと覚えてました。 本当は一緒に掘り出そうって言っていたのに、勝手に掘り出してごめんなさい。 そうそう、お兄ちゃんからの手紙読みました。 今も隣に住んでるか、元気かって書いてあったのに、僕は今日から隣にいなくなるんですって思ったら 泣きそうになりました。 歳兄ちゃん、この前は離れたいなんてひどいこと言ってごめんなさい。 僕は本当にお兄ちゃんが大好きで大好きで、離れたいなんて思ったことはありません。 でもどうしても僕は傍にいてはいけないのです。 何も言わないで行こうってずっと決めていました。 でもやっぱり我慢しているのはしんどいから。 お兄ちゃんがタイムカプセルのことを思い出す頃には、きっと僕ももっと大人になっているはずだから。 だから言ってもいいかなって思いました。 僕があの頃書いた手紙、あれは僕のあの頃の一番の願いでした。 その願いは今も変わっていません。 あの手紙にあることが僕の全てです。 歳兄ちゃん、勝手なことばかりでごめんなさい。 アメリカに行っても、お兄ちゃんのことは忘れません。 この手紙を見る頃、また笑顔でお兄ちゃんに会えたらいいなって思います。 さようなら。 総司より 』 胸が高鳴る。 何かがわかったような気がして。 震える指でもう一つの封筒を取って、そっと開く。 字が書けるのだと笑った幼い総司。 その総司が書いた、一枚の手紙。 それを見た瞬間、歳三は走り出していた。 乗る予定の飛行機が、電光掲示板に表示された。 それを見て総司は待合椅子から腰を上げた。 ずっと手に持っていた一通の封筒を、そっと抱きしめる。 「お兄ちゃん・・・」 結局ちゃんと別れが言えなかった。 避け続けて、きっと怒っている。 でも、もう一度会う勇気はなかった。 だってもう一度会ったらきっと・・・ ぶるぶるっと震えたポケットに、総司はびくっと跳ねた。 慌てて取り出した携帯のディスプレイには、今考えていた人の名が。 少し考えて携帯をポケットに戻そうとした総司は、しかしもう一度それを取り出した。 もしかしたら声が聞ける最後かもしれないから。 悲しそうに微笑んで、そっと通話ボタンを押した。 歳三は、走りながら携帯を耳に当てる。 数回のコールの後に、ざわざわっと雑音が入って来た。 『・・・もしもし?』 不思議そうな電話越しの声に、歳三は怒鳴りつけた。 「総司!今どこだ!?」 『え・・・今・・?今は空港・・・お兄ちゃん、どうし・・・』 「そこを動くな!!」 『え?・・・でも、もうすぐ飛行機・・・』 「いいから動くな!!動いたらお前、一生許さねぇ!!」 まだ何か言おうとした総司を無視し、俺は電話を切った。 タクシーを捕まえて、空港へと急ぐ。 絶対に動くな。 俺が行くまで待っていろ。 握り締めた拳には、あの手紙が握られている。 放せるわけがなかったんだ。 あの笑顔も声も、追いかけてくる足音も小さな手も。 絶対に手放せるわけない。 はぁはぁと、息を切らして駆けつけた空港。 しかしどこにも探している姿はなくて。 やっぱり駄目だったかと俯いた背に、拗ねたような声が投げかけられた。 「・・・・乗り過ごしちゃったんだから・・・」 振り向いて、そこに探していた姿を見つけた時、思わず泣きそうになったなんて言えない。 珍しく眉を寄せた顔に小さく微笑み、その手を引いて歩き出した。 「歳兄ちゃん?ちょ・・どこに・・・」 その手に握られた物を目にした総司は、言葉を詰まらせた。 二人が向かった先は屋上だった。 「お兄ちゃん・・・」 背を向けた人に、総司は震える声で呼びかけた。 まさかこんなに早くそれを見られるなんて思いもしなかったから。 何を言われるのかという恐怖に身体が震えた。 決して知られないように、そのためにここにいるのに。 「総司」 振り返った人の顔を、見ることなんてできなかった。 その隣に誰がいても、呼べば必ず笑いかけてくれる笑顔が好きで好きで。 でも成長するにつれて、それとは違った感情が顔を出す。 それが何かわからないもどかしさに、苛々した。 だからずっと彼を避け続けて反抗して、困った顔の彼を見てもどうすることも出来なかった。 その感情が何か気付いたのはちょうどそんな時のこと。 うつらうつらとしていた自分の傍に、あの人が近寄ってきた時のこと。 唇に触れたものが何なのか、その時は理解できなかったけど。 無邪気に昔はその唇にキスをして、大好きだと言っていたのに。 いつしかそれは出来なくなって。 きっとあの人にとっては戯れだったであろうそのキスに、気付いてしまった。 どうしようもなく、自分が恋をしていることに。 だから離れようと思った。 そんな彼を裏切っている気がして。 でもいつか、笑って会えるようになったその時に、実はねって告白するつもりだったのに。 それでそんなこともあったんだって笑い話にしたかったのに。 まさかこんなに早く、それを見つけられるなんて。 次に続けられる言葉を予想して、身体は小刻みに震えた。 その肩に手を置いて、突き放される。 そう思った総司の瞳が驚きに見開かれた。 震える身体を抱きしめた歳三は、固まった幼い少年にそっと囁いた。 「・・結婚しよう」 びくっと腕の中の身体が震えた。 次いで弱弱しい声が零れ落ちる。 「無理・・・だも・・・・だって僕は・・・・」 「『結婚って何?』お前はそう聞いたな。 俺はずっと一緒にいることだって答えた」 「・・・・うん・・・」 「だったら結婚しよう、ずっと一緒にいよう。 ・・・・傍に、いてくれ」 掌に握り締められた手紙。 幼い総司が願ったこと。 『 としにー と けっこ したい 』 たどたどしい文字に込められた思い。 それが自分の全てだと総司は言った。 『歳兄ちゃんと結婚したい』 それは即ちずっと一緒にいたいということで。 自分の思いと寸分変わらぬものを、向けられていたのだと知った。 「お兄ちゃん・・・・っ・・・・」 すがり付いてきた身体を強く抱きしめて、もう一度願う。 「一緒にいよう・・・ずっと・・」 ぶんぶんと何度も首を縦に振る幼い人。 君と出会って、一体幾年が過ぎたのだろう。 あの頃から、確かに変わりゆくものもあって。 それは無邪気に与えられなくなったキスとか、抱きついてこなくなった腕とか。 並ぶ影に、少しだけ開いた距離とか。 けれども、それでも変わらないものもあって。 向けられる笑顔とか、見つめてくる大きな瞳とか。 ずっと隣にある、温かいぬくもりだとか。 だから信じて疑わない。 きっとこの先いついつまでも、二人は一緒なのだということだけは。 変わりゆくもの、されど変わらぬもの 聖也さんのキリリクで、マセガキ歳と総司の思いが通じる編でしたv 兄弟のように育つと、なかなか恋には発展しにくいそうですねぇ。 まぁ人それぞれでしょうが。 タイムカプセルのお話は拍手にございます。

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