シンゴジラ。 【今こそ見るべき映画】緊急事態宣言する『シン・ゴジラ』/ 感染症と人類が闘う『コンテイジョン』&『感染列島』

シン・ゴジラ インタビュー: 長谷川博己&竹野内豊が目撃した庵野秀明の“覚悟”

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C 2016 TOHO CO. ,LTD. 「シン・ゴジラ」日本ゴジラは庵野秀明成分・高純度でハリウッド版を攻め打つ!! おととし公開されたギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA ゴジラ」(14)は、旧米版の似ても似つかぬゴジラ像の払拭に成功しただけではない。 初代「ゴジラ」(54)が持つ「核の恐怖」という主題を継受し、加えて「VS怪獣もの」という性質をも包括する力作だった。 そんなギャレス版と同じ轍は踏めない今回の「シン・ゴジラ」は、過去作との関連を絶ち「ゴジラとは何か」を再定義することで、新たな脅威の存在として人類と対峙させている。 現代日本に未知の巨大生物が上陸したさいの有事シミュレーションを徹底させ、感傷的なドラマを枝葉のごとく剪除し、未曾有の試練に対してひたすら回答を出していく。 この硬質さが、リアル怪獣映画を掲げた「平成ガメラ三部作」とは一味違う、ポスト怪獣パニックとして観客の視覚をつらぬくのだ。 テロの時代を通じて米娯楽映画の質感が変わったように、本作もまた3・11以降の日本に目を寄せ、ゴジラに担わせてきた象徴性を変質させている。 これらに加え、庵野秀明という作家の成分が高純度を成し、さらには樋口真嗣らによる、幾多の特撮巨篇を経て磨き上げてきた視覚効果が合わさることで、構造的にも映像的にも、固有のアートスタイルが前面に出たゴジラ映画になっている。 さらに彼らの世代論を持ち出して本作を解くのならば、そこには多感期に第2期ウルトラシリーズの影響を受けたであろう、庵野の怪獣観が熱く注がれているのを実感できる。 特に現代社会の歪みが怪獣を呼び醒ます「帰ってきたウルトラマン」(71~72)の気配は強い。 巨大生物をめぐり、防衛組織が武力行使か人命尊重かの決断を迫られる展開や、怪獣を国家転覆の手札とする陰謀者の思惑が見え隠れするところなど、「帰マン(新マン)」テイストの掘り下げがピリッと舌を刺す。 なによりも「シン・ゴジラ」には、ゴジラ出現の途方もない事態をディスカッションで攻め打つ「組織もの」としての趣がある。 こうした様相が、かつて同じ東宝で戦争・群像劇を手がけた岡本喜八監督の演出や、橋本忍的な脚本イズムの薫香を放つのだ。 本作は長大なゴジラ映画史において図抜けた作家性を放つが、それは庵野が自作「トップをねらえ!」や「新世紀エヴァンゲリオン」の方法論をゴジラに全投入した成果ともいえるし、そこに落ち着くことへの賛否はあるだろう。 だがそれでも「シン・ゴジラ」は、日本という土壌に根を下ろし、国内のアニメ特撮文化や社会事象を見据えていなければ、容易には得難い感性の集積である。 この極致、ハリウッドの資本力をもってしても踏み込めまい。 ギャレス版に目にもの見せてやったぜ!(尾崎一男) (外部リンク) 2016年7月28日 更新.

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シン・ゴジラ対エヴァンゲリオン交響楽

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右翼と左翼、ネトウヨとパヨク、保守と革新…。 今の世の中、いろんな言い方があります。 しかし、「100%ネトウヨ」「100%パヨク」…という両極端な議論がネット上で繰り広げられていることに、私は違和感を覚えているのです。 例えば、私は憲法9条の改正にはやや賛成で、原子力発電所の稼働には反対です。 安倍晋三首相のやることに、「何でも賛成」「何でも反対」というのは、「思考停止なんじゃないの?」と思うのです。 そこで、今日はそれを強烈に皮肉った(=私が勝手に思っている)映画を紹介します。 今さらなんですが(笑)、2016年に大ヒットした「シン・ゴジラ」です。 実は、この映画は史上初めて、ネトウヨとパヨクへ同時に警告を出した、すごい映画なんです。 まず、「ネトウヨへの警告」です。 ゴジラとは、太古から生き残っていた深海海洋生物が、不法に海洋投棄された「大量の放射性廃棄物」に適応進化したモンスターです。 原発事故が起きて、高レベルの放射線や放射性物質が漏洩(ろうえい)すれば、人間が近づけず修復が極めて難しい。 日本には原発技術者が減少傾向にある。 事故発生後のコストは高く、重大事故の影響は地球全体に及ぶ可能性もある。 使用済み核燃料の放射線量は一説には未使用の1億倍で、もとのウラン鉱石レベルに低下するには10万年も必要とするそうです。 福島事故を経験したわれわれは、冷静に原発と向き合わなければなりません。

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2016年7月に公開され、翌年の第40回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞を含む最多7冠を達成した映画『シン・ゴジラ』。 「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明が総監督・脚本、ゴジラの怪獣造形に関わってきた樋口真嗣が監督を務めました。 ゴジラ映画29作目の本作は「現実 ニッポン VS虚構 ゴジラ 」のキャッチコピーのもと、興行収入80億円超えの大ヒットを記録することに! 公開されるや否や、過去の概念を覆す新しいゴジラ像に日本中が沸き、作品のメッセージの解説や考察も飛び交いました。 この記事では、もっと『シン・ゴジラ』が面白くなる小ネタから、庵野監督の代表作「エヴァンゲリオン」との共通点までまるっと紹介していきます。 *本編のネタバレに触れています。 未視聴の方はご注意ください。 登場早々に街を破壊、自衛隊のミサイルを物ともしない皮膚の硬さを見せつけ、火炎放射と放射性物質で東京を地獄絵図に変えたシン・ゴジラ。 アメリカのエネルギー省 DOE に在籍した研究者・牧吾郎が、神の化身「呉爾羅」に因んで、「ゴジラ」と名付けました。 身長118. 5m、全長333m、体重92000tとシリーズ歴代最大サイズを誇り、初代ゴジラを思わせる赤く発光した体と昭和のゴジラをリアルにしたようなフォルムが特徴です。 必要に応じて進化あるいは退化を行う、という従来とは一線を画する特性を持ち、自己増殖による無限繁殖、有翼化などの可能性も言及されました。 巨災対はそんなゴジラを無力化すべく自衛隊と協力し、エネルギー切れにさせた後、「在来線爆弾」を放ちます。 激しい抵抗を受けますが、最後はゴジラを凍結することに成功したのでした。 ゴジラの頭部をよく見ると、深海魚のように裂けた口の中は乱杭歯という恐ろしい形になっており、瞳がかなり小さいことがわかります。 これはその正体に由来しており、ゴジラは元々古代の海洋生物だったそうです。 核開発が活発化する60年前、世界中で深海に投棄された放射性廃棄物を摂取するのに適した生物が出現し、生態変化を起こした成れの果ての姿がゴジラなんだとか。 DNAは人類の8倍の情報量を誇り、最初の生物は爬虫類なのか、魚類なのかすらわからないほどの変貌を遂げたゴジラは、人間のエゴから生まれたのです。 生物なのに食事を必要とせず、生命維持エネルギーすらも体内の核融合炉で作り出せてしまうのは、核の力を取り込んだからなのでしょう。 言ってしまえば、生物の宿命=死すら超えた存在であり、「人類の絶望」そのものでした。 映画『シン・ゴジラ』は、人類が一岩となって巨大不明生物に立ち向かうストーリーであると同時に、矢口蘭堂 長谷川博己 の成長物語でもありました。 矢口を演じた長谷川はORICON NEWSのインタビューに対し、撮影の後半に「これは矢口の成長物語かもしれない」と、庵野監督に言われたと明かしています。 矢口の「内閣官房副長官」という役職は現実でも目立つことはないですが、30代で就くことが難しいポジションなのは確か。 登場した当初は、優秀な政治家然とした無機質な印象を受けました。 しかし、ゴジラの出現と共に彼の感情が爆発したり、赤坂の現実主義と対立する理想主義者として描かれたりと、純粋で熱い一面が表面化します。 上層部の反発や別組織との協力、それぞれの譲れない信念の衝突などの中で、ある意味変わらざるを得なかったとも言えるでしょう。 人として、そして政治家としての成長が「だが、今は辞めるわけにはいかない。 事態の収束にはまだ、ほど遠いからな」という最後の台詞に表れているのかもしれません。

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