悪性 リンパ腫 ガイドライン。 日本眼科学会:目の病気 眼内リンパ腫

悪性リンパ腫 病型や悪性度、腫瘤の部位や大きさに応じた治療選択

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超高齢社会となった現在、悪性リンパ腫の患者数は年々増えています。 悪性リンパ腫は病型が極めて多く、進行のスピードや治療法もそれぞれの病型によって異なるのが特徴です。 さらに、全身のあらゆる部位で発症するため、部位に応じた治療選択も大切です。 近年、薬や治療法の開発が大きく前進し、一部の病型のリンパ腫の治療成績は飛躍的進歩をとげています。 悪性リンパ腫の中でも、罹患率が高い病型や新たな治療法が登場してきた4種類の悪性リンパ腫の治療法を解説します。 悪性リンパ腫とは 悪性リンパ腫は、生体の免疫機能を担う白血球の一種であるリンパ球ががん化する病気です。 罹患数は1985年に人口10万人あたり5. 5人だったのが年々増え続け、2010年には18. 7人、2013年には20. 2人にまで増加しています。 ほかのがん種と比べても悪性リンパ腫の増え方は抜きん出ています。 罹患数は、男性のほうが女性より少し多く、発症のピークは70歳代です。 悪性リンパ腫という病名は、リンパ球のがんをまとめた総称で、実際にはさまざまな病型からなっています(表1参照)。 WHO分類(2017年版)では80ほどの病型が示されており、大別すると、病気の発見者の名前にちなんで命名されたホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に分けられ、日本では非ホジキンリンパ腫が9割ほどを占めています。 悪性リンパ腫と同じ「血液のがん」である白血病の多くは、血液が作られる過程の未熟な白血球(顆粒球〔好中球、好酸球、好塩基球〕、単球、リンパ球〔Tリンパ球、Bリンパ球など〕)の細胞ががん化するのに対して、悪性リンパ腫では、がん化するのは、成熟したリンパ球がほとんどです(図1参照)。 また、白血病はがん化した細胞が血液によって骨髄中から全身に運ばれるのに対して、悪性リンパ腫は、身体の特定の場所に腫瘤という塊をつくりやすい性質があります。 腫瘤が発生する部位について大まかにいうと、免疫システムの防衛基地であるリンパ節に発生するタイプ、リンパ節の外の胃や骨髄などの臓器(節外臓器)に発生するタイプ、リンパ節と節外臓器の両方に発生するタイプが、それぞれ3分の1ずつあります。 非ホジキンリンパ腫では、無治療の場合の予後(自然史)を予測する臨床分類として、悪性度によって、3つに分類されています。 「低悪性度(インドレントリンパ腫)」はがん細胞の増殖速度が遅く年単位で病気が進行するもの、「中悪性度(アグレッシブリンパ腫)」は月単位で進行するもの、「高悪性度(高度アグレッシブリンパ腫)」は増殖速度が速く週単位で進行するものです。 どの悪性度に分類されるかは、病型ごとにほぼ定められています。 関与が考えられる要因には、遺伝子の異常、免疫亢進や免疫低下などの免疫異常、およびウイルスや細菌の感染がありますが、そのいくつかが次第に蓄積してから発症する「多段階発がん」であることが知られています。 免疫異常による慢性の炎症が発症に関係しているという報告もあります。 自己免疫疾患の1つである橋本病では甲状腺に慢性の炎症が起こりますが、甲状腺のB細胞リンパ腫の患者さんを調べたところ、95%以上が橋本病をもっていたという報告があります。 橋本病の患者さんのうち悪性リンパ腫を発症するのは数%ですが、慢性の炎症から浸潤したリンパ球ががん化することによって悪性リンパ腫が発症することがあると考えられています。 また、かつて国民病といわれた肺結核では、膿胸という胸腔内に膿性液が溜まる病状に至る人が多くいました。 膿胸には手術などの処置が行われますが、遷延した膿胸の慢性炎症から数十年後に胸腔壁にEBウイルス(Epstein Barr Virus)が関与した悪性リンパ腫が発生する例が多く見られたのです。 さらに、胃炎や胃潰瘍を引き起こすピロリ菌感染者の胃壁でも、悪性リンパ腫の危険性が高まることが指摘されています。 最近注目されているのは、慢性関節リウマチと悪性リンパ腫との関係です。 慢性関節リウマチの患者さんは悪性リンパ腫の発症リスクが高くなることが知られています。 特に、慢性関節リウマチの第一選択薬の1つである免疫抑制剤のメトトレキサート(製品名:メソトレキセート、リウマトレックスなど)を服用していると、ときに悪性リンパ腫を発症することが報告され、重篤になると死に至るケースもあります。 メトトレキサート関連の悪性リンパ腫は、メトトレキサートの服用を中止すると数割の患者さんで自然によくなることもわかっています。 したがって、メトトレキサート服用中に発熱したり、リンパ節が腫れた場合などは、医師と相談して服用の中止を検討すべきでしょう。 悪性リンパ腫の症状 悪性リンパ腫は自覚症状によって発見されるケースが少なくありません。 首や脇の下、足の付け根などのリンパ節が、触れるとグリグリとした塊がわかるほどに腫れてきたために医療機関を受診し、悪性リンパ腫が見つかることがあります。 また、健診で腹部や胸部の深い部分のリンパ節が腫れているのが指摘され、悪性リンパ腫が疑われることもあります。 症状としては、発熱、盗汗(寝汗)、体重減少も重要です。 この3つは、「B症状」と呼ばれる悪性リンパ腫の特徴的な全身症状です。 これらの症状がない場合と区別して各ステージは(病期)、B期またはA期と分類されます。 この3つの症状が出るのは、リンパ球の機能の1つに免疫応答があり、免疫応答を調節するときにサイトカインと呼ばれる特殊なタンパク質が放出されるためです。 例えばインフルエンザに罹患したときは、免疫応答によりこのサイトカインが放出され、発熱などの症状が現れます。 ところが、リンパ球のがん化が進むと免疫応答に狂いが生じ、サイトカインが過剰に継続して放出されるようになって発熱、盗汗(寝汗)、体重減少といった持続的な症状があらわれます。 悪性リンパ腫の検査 悪性リンパ腫を疑う場合は、触診、血液検査、造影CT検査などを行います。 最終的に悪性リンパ腫の診断と病型分類を確定するために欠かせないのが、リンパ節や腫瘍の一部を切り取って顕微鏡で観察する生検です。 さらに、正確な組織型を知るためには細胞表面抗原マーカー検査、染色体検査、遺伝子検査も重要です。 病気の勢いや悪性度を調べる検査として、血清LDH(乳酸脱水粗酵素)、CRP(C反応性タンパク)、可溶性インターロイキン2受容体の検査も重要です。 このうちLDHはリンパ球が増殖すると数値が上昇するとともに、悪性度が高い悪性リンパ腫では数値が上がるため、治療方針を決定するうえでも大切な検査といえます。 例えば、初診時にリンパ節が大きく腫れていてもLDHが正常値ならば急いで治療を開始しなくてもよい低悪性度である可能性が高く、また、逆にリンパ節が腫れてLDHも異常な高値を示している場合は高悪性度である可能性を考え、一刻も早く診断して治療を始めるためにそのまま入院することもあります。 最終的な治療方針は、さまざまな検査による正確な病理診断と、病気の広がりや進行度による病期分類(表2参照)にもとづいて、腫瘍の部位や大きさ、全身状態と年齢を考慮のうえ、具体的な治療方法が選択されます。 表2 悪性リンパ腫の病期分類(Lugano分類,2014) 病期 病変部位 節外病変の状態 限局期 I期 1つのリンパ節病変。 または隣接するリンパ節病変の集合 リンパ節病変を伴わない単独の外臓器の病変 II期 横隔膜の同側にある2つ以上のリンパ節病変の集合 リンパ節病変の進展による、限局性かつリンパ節病変と連続性のある節外臓器の病変を伴うI期またはII期 II期bulky bulky(大きい)病変を伴うII期 該当なし 進行期 III期 横隔膜の両側にある複数のリンパ節病変、または脾臓病変を伴う横隔膜の上側の複数のリンパ節病変 該当なし IV期 リンパ節病変に加えて、それとは非連続性のリンパ外臓器の病変 該当なし 各病期はB症状の有無により、BまたはAに分ける 悪性リンパ腫の治療 悪性リンパ腫の治療では、がん化した細胞が有する膜表面の蛋白抗原または増殖するために重要な遺伝子やタンパク質をピンポイントで攻撃する分子標的薬が次々と登場し、従来からの抗癌剤、放射線療法と合わせて効果を上げています。 このため、どの分子標的薬が効くタイプのリンパ腫なのかを見極めることが大切です。 例えば、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL:diffuse large B-cell lymphoma)の治療を劇的に変えたリツキシマブ(製品名:リツキサン)は、Bリンパ球の表面に発現しているCD20抗原というタンパク質に結合する抗体としてつくられた薬剤です。 ほかにも抗CD30抗体とチューブリン毒素を結合させたブレンツキシマブ・ベドチン(製品名:アドセリス)、抗CCR4抗体であるモガムリズマブ(製品名:ポテリジオ)などもあります。 CD20は、B細胞リンパ腫の9割以上で陽性です。 悪性リンパ腫で一番患者数が多いびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と次に多い濾胞性リンパ腫(FL)に有効であるため、悪性リンパ腫の過半数でリツキシマブが効くことになります。 以下では、代表的な4つの病型について治療法を解説します。 びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL) びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、日本人の非ホジキンリンパ腫の中で3割強を占める最も発生頻度の高い病型です。 現在の標準治療はR-CHOP療法です。 これは、リツキシマブ+シクロホスファミド(製品名:エンドキサン)+ドキソルビシン(製品名:アドリアシン)+ビンクリスチン(製品名:オンコビン)+プレドニゾロン(製品名:プレドニン)を併用する多剤併用療法です。 病期I、II期の限局期と病期III、IV期の進行期とでは治療が異なり、限局期では腫瘍径が10cmを超えるような巨大腫瘤があるかないかでも異なります(図2参照)。 限局期で巨大腫瘤なしの場合は、「R-CHOP療法3コースを行ったあとに放射線治療を行う方法」と、「R-CHOP療法を6~8コースを行う方法」の2つの標準治療があり、効果は同等です。 一般的には、腫瘤のある部位や患者状態によって選択されます。 例えば、のどの周辺の腫瘤では、放射線を照射すると飲食にかかわる口腔内の障害を免れない場合があります。 そのような場合は、放射線を併用しない「R-CHOP療法6~8コース」を選択することがあります。 また、高齢者では、抗がん剤を短期間に抑えて心毒性や末梢神経毒性などの副作用を軽減するため「R-CHOP療法3コース+放射線治療」を選択することもあります。 初回治療で過半数のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の患者さんは治癒します。 寛解になったものの再発した場合と寛解に至らなかった難治性の場合は、サルベージ治療と呼ばれる救援化学療法が行われ、R-CHOPより少し強い薬の併用化学療法が行われます。 この救援療法で効果が認められた比較的若年者(65歳未満程度)の場合、自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法を行うことで一部の患者さんは治癒も可能となります。 再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対しては、CAR-T療法(キメラ抗体受容体T細胞療法)という新しい治療法が登場し注目されています。 この治療法は、患者自身の血液からT細胞を採取し、B細胞リンパ腫などで発現するCD19というタンパク質を特異的に認識してがん細胞を攻撃するようにした遺伝子を導入して行う、遺伝子改変T細胞療法です。 米国で昨年、世界で初めて小児を含む25歳以下の再発・難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病の治療薬としてチサゲンレクロイセル(製品名:キムリア)が承認され、日本でも今年4月、25歳以下の再発・難治性B細胞性急性リンパ芽球性白血病とともにCD19陽性再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫について承認申請が行われています。 もともと欧米では多く日本では少ないタイプでした。 ここ30年ほどで増加傾向にあり、生活スタイルの欧米化との関連が指摘されています。 濾胞性リンパ腫はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫と同じB細胞由来のリンパ腫ですが、一般的に進行が遅いという特徴があり、低悪性度の代表といえます。 このため、治療方針を決めるにあたり、病期で大多数を占める進行期(IIIまたはIV期)の場合に重視されるのは腫瘍の量です(図3参照)。 腫瘍の量で7. 5cm以上のものが1個以上あるとか、3cm以上が3個以上ある、などの高腫瘍量のときはリツキシマブを併用した化学療法を行いますが、低腫瘍量のときは濾胞性リンパ腫と診断がついてもすぐに治療を開始するのではなく、濾胞性リンパ腫による症状や臓器障害をきたすまで無治療で経過観察を行う「ウォッチフル・ウェイティング」がしばしば選択されます。 濾胞性リンパ腫は低悪性度のリンパ腫であり進行はゆっくりなため、低腫瘍量であれば症状も出にくく、無治療でも命にかかわる状況ではないからです。 ただし、ここで注意したいのは、低悪性度のリンパ腫は進行がゆっくりでも治りにくい病気であることです。 中悪性度・高悪性度のリンパ腫は週単位、月単位で病状が進む進行性であるため、治療を開始しても早期に亡くなる患者さんが多いですが、治療が奏効した場合では完治する患者さんが多いです。 低悪性度のリンパ腫では進行がゆっくりであり、治療を行うと病変が消える(完全寛解といいます)こともあるものの、何年か経つと再発します。 診断がついて早く治療を開始しても、症状があらわれてから治療を開始しても再発することに変わりはなく、低腫瘍量の場合はどちらにしても生存期間に差はあまりなく、治らないまま経過することが多いのが特徴です。 治療すれば何かしらの副作用が現れます。 そもそもリンパ腫による症状がない場合は通常の生活が送れるのだから、治療の副作用による支障は避けたいという場合などで、腫瘍量が多くないときは、治癒が望めない濾胞性リンパ腫では無治療経過観察が選択されます。 実際、濾胞性リンパ腫の診断から5年後の段階で治療を開始しなくてもよい患者さんは数割います。 さらに、1割程度の患者さんではそのまま病変が小さくなって、自然寛解していくこともあります。 発症原因として慢性的な炎症反応との関連が指摘されています。 病変の多くは胃に現れ、胃のMALTリンパ腫の場合、胃に感染したヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)による慢性炎症が病気に関与していると考えられています。 このため、胃のMALTリンパ腫ではピロリ菌感染の有無を調べることが重要です。 ピロリ菌検査の結果が陽性で、胃に限局したMALTリンパ腫なら、ピロリ菌の除菌だけで7~8割は長期完全寛解するといわれています。 再生検でびまん性大細胞型B細胞リンパ腫との境界病変がある場合、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に準じた治療を行う 末梢性T細胞リンパ腫(PTCL) 末梢性T細胞リンパ腫(PTCL:peripheral T-cell lymphoma)は、リンパ球のT細胞ががん化する比較的まれな非ホジキンリンパ腫でいくつかの病型からなり、病気が月単位で進行する中悪性度に分類されています。 基本的な治療は化学療法ですが、B細胞リンパ腫で用いられるリツキシマブはCD20陰性のT細胞リンパ腫では効果が期待できないため、末梢性T細胞リンパ腫ではリツキシマブを除いたCHOP療法が行われます。 ただし、CHOP療法の治療成績は必ずしも良好ではなく、二次治療以降では、臨床試験への参加も治療選択肢の1つとなっている状況です。 そこへ最近、再発または難治性のPTCLについては、フォロデシン(製品名:ムンデシン)、プララトレキサート(製品名:ジフォルタ)、ロミデプシン(製品名:イストダックス)の3つの薬が相次いで承認されました。 このうちフォロデシンは酵素の働きを阻害することでがんを死滅させる経口薬です。 プララトレキサートはがん細胞が必要とする葉酸を作らせないようにすることでがんを死滅させる葉酸代謝拮抗薬であり、ロミデプシンはやはり酵素の働きを阻害することでがんを死滅させる薬です。 いずれの薬も奏効割合は3割前後で、効果はそれほど高いわけではありません。 しかし、これらの薬で寛解になるとかなり長期にわたり寛解を維持している患者さんが少なからずいます。 この点は高齢者に多い病気であるだけに朗報といえるでしょう。

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悪性 リンパ腫 ガイドライン

更新日 : 2020年5月8日 公開日:2014年4月28日 はじめに 悪性リンパ腫は、年間10万人あたり10人程度の発生と報告されており、日本の成人では最も頻度の高い血液腫瘍です。 一言で「悪性リンパ腫」と言っても様々な疾患単位が含まれており、頻度の高いタイプから非常に稀なタイプまで多岐にわたります。 悪性リンパ腫は、血液中の「リンパ球」ががん化した疾患であり、主にリンパ節、脾臓および扁桃腺などのリンパ組織に発生しますが、リンパ組織以外にも多く発生します。 胃、腸管、甲状腺、肺、肝臓、皮膚、骨髄および脳など、体のあらゆる臓器に発生する可能性があり、発生した部位により症状および診断の契機が異なります。 正確な診断に基づき適切な治療を行うことで、根治させる可能性のある疾患です。 悪性リンパ腫の診断と分類 悪性リンパ腫の確定診断は、外科切除、生検により採取された腫瘍の一部を用いた病理組織診断に基づきます。 臨床的に悪性リンパ腫が強く疑われる状況でも、一回の生検では確定診断に至らず、再度生検が必要な場合もあります。 悪性リンパ腫は、病理組織学的に50種類以上に分類されますが、腫瘍細胞の形態や性質からホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。 非ホジキンリンパ腫においては、病理組織分類に加えて、病状の進行速度によって三つの悪性度に分類されます()。 この分類は、診断後無治療の場合に予測される進行速度に基づいています。 非常にゆっくり進行することが予想されるため、慎重な経過観察が可能な低悪性度のものから、急激に進行するため、早急な治療開始が必要な高悪性度のものまで様々です。 悪性リンパ腫診療において、正確な病理組織診断と悪性度分類が、適切な治療方針を決定する上で重要です。 悪性リンパ腫の治療 悪性リンパ腫の治療は、化学療法と放射線治療が中心です。 患者さんの全身状態、病理組織診断、悪性度および臨床病期(ステージ)に基づいて治療方針を決定します。 病期I期およびII期の限局期においては、病変部位への放射線照射を化学療法の後に追加が可能であれば実施します。 ホジキンリンパ腫に対する化学療法は、ドキソルビシン・ブレオマイシン・ビンブラスチン・ダカルバジン併用療法(ABVD療法)が現在の標準的治療法です。 B細胞性非ホジキンリンパ腫に対する治療法は、病理組織型および悪性度に基づき決定します。 最も頻度の高い病理組織型である、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対しては、シクロフォスファミド・ドキソルビシン・ビンクリスチン・プレドニゾロン併用療法(CHOP療法)と抗CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブを併用するR-CHOP療法が標準的治療法と位置づけられています。 二番目に頻度の高い濾胞性リンパ腫は、一般的に年の単位で緩徐に進行する低悪性度B細胞リンパ腫に位置づけられています。 濾胞性リンパ腫は、緩徐に進行するため自覚症状が乏しい場合も多いですが、難治性であり、治療に関しては• 慎重な経過観察• リツキシマブ単剤療法および• リツキシマブ併用化学療法 の三つが主な選択肢です。 腫瘍量を判断指標のひとつとして、患者さんと相談した上で治療方針を決定します。 マントル細胞リンパ腫やバーキットリンパ腫のような中高悪性度B細胞非ホジキンリンパ腫に対しては、年齢および臓器機能から実施可能(強い副作用に耐えられる)と判断されれば、強力多剤併用化学療法を考慮します。 一方でT細胞性非ホジキンリンパ腫に対してはCHOP療法が標準的治療法と考えられていますが、一般に治療効果はB細胞性非ホジキンリンパ腫と比較して不良です。 そこで治療効果を高めることを目的とした造血幹細胞移植などの強力多剤併用化学療法を目指した治療を計画する場合もあります。 また一部の病理組織型においては、それらに特化した標準的治療法が確立しています。 本邦において発生頻度の高い成人T細胞白血病リンパ腫に対しては、年齢および臓器機能から実施可能と判断されれば、同種造血幹細胞移植を目指して多剤併用化学療法を実施します。 限局期の節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型に対しては、同時化学放射線療法が標準的治療法に位置づけられています。 悪性リンパ腫の治療後の問題点 悪性リンパ腫治療後の問題点として、二次がん、不妊症、心臓や肺を含む臓器障害、糖尿病などの生活習慣病、骨粗鬆症などの晩期合併症が知られています。 治療終了後も定期的な受診および健康診断を積極的に受診することをおすすめします。

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悪性リンパ腫 病型や悪性度、腫瘤の部位や大きさに応じた治療選択

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【どのような病気か?】 悪性リンパ腫はリンパ球のがん(腫瘍)です。 リンパ球は白血球の一種で細菌やウイルスなどの感染から体を守ったり、癌を攻撃したりする働きをしています。 リンパ球はさらにT細胞、B細胞、NK細胞の3つに細分類されています。 リンパ節はリンパ球が集まっている場所であり、首、脇の下、足のつけ根など全身いたるところにあります。 悪性リンパ腫はリンパ節から発生し増殖することが多いので、一般的にはリンパ節が腫れてきます。 しかし、リンパ球は体の中のどこにでも存在するので、悪性リンパ腫は全身どこにでもおこり、しこり(腫瘤)が出現します。 悪性リンパ腫には様々なタイプがあり、いろいろな分類がなされています。 たとえば組織像の違いから、大きくホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫の2つに分類されます。 そして、非ホジキンリンパ腫はさらに細かく分類されています。 また、リンパ球の種類からT細胞性リンパ腫、B細胞性リンパ腫、NK細胞性リンパ腫という分類法もあります。 さらに悪性リンパ腫の進行の違いにより、低悪性度リンパ腫(年単位で進行するタイプ)、中等度悪性リンパ腫(月単位で進行するタイプ)、高悪性度リンパ腫(週単位で進行するタイプ)というような分類法もあります。 【原因】 悪性リンパ腫がおこる原因はまだ十分には解明されていませんが、一部ではウイルス(EBウイルス、HTLV-1ウイルスなど)や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌など)などの感染との関連が明らかにされています。 例えば成人T細胞性リンパ腫は、HTLV-1ウイルス感染により起こるリンパ腫であり、九州などに多くみられます。 母乳から感染しキャリア(ウイルスはいるが症状がない状態)となり、通常、50歳以降になるとリンパ腫や白血病を発症することがあります。 【症状】 主に首、脇の下、足の付け根などのリンパ節が腫れてきて、次第に大きくなります、鶏卵大以上になることもあります。 腫れているリンパ節を触っても痛みがないのが特徴です。 リンパ節以外にも、胃や皮膚などあらゆる臓器や組織に腫瘤ができることがあり、健診などで偶然発見されることも稀ではありません。 また、肝臓や脾臓の腫大、腹水、胸水を認めることもあります。 自覚症状として発熱、体重減少、寝汗をかくなどの症状を伴うことがあり、これらはB症状と呼ばれています。 【診断の進め方】 悪性リンパ腫の診断には、腫れているリンパ節などの腫瘤を少なくとも1つはとって調べることが必要です。 これは生検(リンパ節の場合はリンパ節生検)と呼ばれています。 摘出した腫瘤を細かく切って様々な標本を作成し、顕微鏡で観察することにより診断されます。 生検の結果、どのような種類のリンパ腫であるのか明らかになります。 これを病理診断と呼びます。 また、リンパ節から得られた細胞の蛋白解析、染色体分析、遺伝子解析なども同時に行なわれることが多く、これらの検査により、診断が確実なものとなります。 診断がついたら、次に悪性リンパ腫の全身への広がりについて調べます。 具体的には胸部X線検査、CT検査、MRI検査、超音波検査、骨髄検査などが行われます。 最近では、全身のPET検査も施行されるようになってきました。 これらの検査結果により、悪性リンパ腫の広がりが明らかになり、病期(リンパ腫の進行度)が決定されます。 図2 悪性リンパ腫の治療法 悪性リンパ腫の治療法には化学療法、抗体療法(分子標的療法)、放射線療法、造血幹細胞移植などがあります(表参照)。 個々の患者さんに対する治療方針は悪性リンパ腫のタイプと病期だけではなく年齢、全身状態、血液検査の結果なども踏まえて決定されるので、専門医による判断が非常に重要です。 治療の選択が複数ある場合もあります。 その場合はそれぞれの治療法のよい点、悪い点について担当医から説明がなされます。 その内容を十分理解して、担当医と相談して治療法を選択するのがよいでしょう。 悪性リンパ腫はその種類により治療法が異なります。 わが国で頻度の高いリンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、ろ胞性リンパ腫、MALTリンパ腫、ホジキンリンパ腫、成人T細胞性リンパ腫などです。 それらの治療法について下記に示します。 1.びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫 一般的にR-CHOP療法が行われます。 R-CHOP療法は抗体療法であるリツキシマブ(リツキサン)を併用した化学療法です。 リツキシマブはリンパ腫細胞に存在するCD20という蛋白に対する抗体であり、CD20 に結合することによりリンパ腫細胞が死滅します。 化学療法薬としてはシクロホスファミド(エンドキサン)、ドキソルビシン(アドリアシン)、ビンクリスチン オンコビン 、プレドニゾロン(プレドニン)が用いられます。 限局期(病期I、II)の場合には、R-CHOP 3コースと放射線療法(区域照射)の併用、またはR-CHOP 6コースが行われます。 進行期(病期III、IV)の場合にはR-CHOP 6~8コースが行われます。 予後が悪いと予測される場合にはその後、自家末梢血幹細胞移植を行うこともあります。 予後に関係する因子としては、• 年齢61歳以上• 全身状態不良(軽作業もできない状況)• 血液検査でLDHが高値• リンパ節以外の病変数が2か所以上• 病期IIIないしIV の5つがあり、これらの因子を満たすほど、予後は悪くなります。 例えば5年生存率は5つのうち1つ以下しか満たさない場合は73%、4つ以上満たす場合は26%という成績が報告されています。 2.ろ胞性リンパ腫 限局期(病期I、II)の場合には、区域放射線照射が行われ、約半数の患者で治癒が期待できます、予後が悪いと予想される場合(B 症状がある場合や腫瘤が大きい場合など)には、進行期(病期III、IV)に準じた化学療法がなされます。 進行期の場合には、リツキシマブ(リツキサン)を併用した化学療法が行われます。 しかし、ろ胞性リンパ腫は年単位でゆっくり進行する低悪性度のリンパ腫であることから、高齢者では治療せずに経過観察されることもあります。 予後に関係する因子としては• 年齢61歳以上• 悪性リンパ腫の骨髄浸潤• 最大病変の長径6cm以上 の5つがあります。 これらの因子を満たすほど、予後は悪くなります。 例えば5年生存率は、すべて満たさない場合は98%、3つ以上満たす場合は77%と報告されています。 3.MALTリンパ腫 MALTリンパ腫の約40%は胃にできます。 胃の中にいるヘリコバクタ-・ピロリ菌がMALTリンパ腫の発症や増殖に関係しており、この細菌を抗菌薬などで殺菌することにより、リンパ腫がよくなります。 奏功率は60~80%です。 胃以外のMALTリンパ腫は、肺、唾液腺、瞼、目、皮膚、甲状腺などにしばしばみられます。 治療法としては限局期の場合には外科的切除あるいは放射線療法が行われます。 進行期の場合には化学療法が行われます。 予後は比較的良好であり、10年生存率は約80%です。 4.ホジキンリンパ腫 ホジキンリンパ腫に対してはABVD療法と呼ばれる化学療法が行われます。 これはドキソルビシン(アドリアシン)、ブレオマイシン(ブレオ)、ビンブラスチン(エクザール)、ダカルバジン(ダカルバジン)の4剤を用いた治療法です。 限局期では4~6コース、進行期では6コースの治療を行うのが一般的です。 放射線療法が追加されることもあります。 ホジキンリンパ腫は化学療法が効きやすいタイプのリンパ腫であり、約75%が治癒します。 5.成人T細胞性リンパ腫 高悪性度のリンパ腫であり、化学療法のみで治癒することは極めて困難です。 2012年に再発または難治の成人T細胞性リンパ腫に対する新規抗体療法薬であるモガムリズマブ(ポテリジオ)が保険適応となりました。 この薬剤は50%の患者に奏功します。 今後、本剤と化学療法を組み合わせた治療により、さらに治療効果の向上が期待されています。 本症に対する治療法の中で治癒が期待できるものは同腫造血幹細胞移植のみです。 移植後3年の生存率は約40%前後です。

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